韓国に留学していたころ、とても驚いたことがありました。
なんで韓国で売っている「ブラジャー」は、こんなに小さいの!?
当時、日本では「上げて、寄せる」タイプが主流だったと思いますが、韓国で売っているのは「小胸」に見せるタイプばかり。「上げて、寄せる」希望がないわたしにはちょうどよかったのですが、考え方の違いが気になって友人に聞いてみました。
「もともと身体のラインを強調するような服は、あんまりないかもねー」
テレビでは、オム・ジョンファが身体のラインをめっちゃ強調しながら歌い踊っておりましたが、普通の市民はそういう発想をもっていない時期だったのかもしれません。
そして、むかしのドラマにもグラマラスな俳優は、あんまりいなかったような気がします。
いまでは韓国にも「盛る」タイプの下着が出ていて、身体のラインを見せつける演出も出てきましたね。
中でもキム・ヘスには圧倒されます。
映画「10人の泥棒たち」では、“大人のオンナ”を強調した姿を見せていました。
ハン・ソッキュと共演した「2階の悪党」では、夫を亡くして茫然自失……のはずが、やけに色っぽいママを演じています。
☆☆☆☆☆
映画「2階の悪党」
☆☆☆☆☆
夫が急に亡くなり、経済的に困窮したヨンジュ。2階の空き部屋を「作家」と名乗る男チャンインに貸し出すことにする。しかし、ことあるごとに1階をのぞき込もうとするチャンインに不信感を抱くように。ある日、執筆のためにヨンジュにインタビューしたいと言いだして……。
サスペンスとドタバタコメディの掛け合わせを狙っていたのでしょうけれど、正直に言ってどちらにも振り切れずに終わった……感はあります。
韓国で公開された時にも、興行が振るわなかった模様。ただ、後になって評価する声が上がるようになったのだとか。
監督は「シークレット・ジョブ」のソン・ジェゴン監督。こちらがひたすらコミカルに振り切った脚本だったので、やはり「2階の悪党」から一皮むけた感じはしますね。
わたしとしては、とにかくキム・ヘス姐さんのズレっぷりに笑いました。
夫に先立たれ、娘は反抗期真っ最中。周囲の男たちは、みんな自分に「説教」しようとしているように感じているんです。
話を聞いてくれないカウンセラーを罵倒し、言動の怪しい作家のハン・ソッキュを怒鳴り散らす。
キム・ヘス姐さんがグラマラスなだけに、男はみんな「哀れな未亡人に近づく下心たっぷりの男たち」に見えてしまうという構図になっています。
その中で、キム・ヘス姐さんがキレるポイントって、明らかに「そこじゃないだろう!?」と思わせるんですよね。
ベストセラーになった『話を聞かない男、地図が読めない女』という本を彷彿させる展開で、この本のリアル版のようでした。
アドバイスが好きなのは男性に限ったことではありませんが、「ただ話に耳を傾ける」ことのほうがはるかに難しい。
アドバイスをしている間って、たぶん自分が一番気持ちいいんでしょうね。
映画「2階の悪党」115分(2010年)
監督:ソン・ジェゴン
脚本:ソン・ジェゴン
出演:ハン・ソッキュ、キム・ヘス、ジウ、キム・ギチョン、イ・ヨンニョ、イ・ジャンウ、オ・ジェギュン、ユン・ホンビン、オム・ギジュン
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