振り返ってみると、動物の出てくる物語をたくさん読んでいることに気が付きました。
『火狩りの王』のようなファンタジーには動物がつきものですし、動物の妖怪が人間のふりをして暮らしている『しゃばけ』みたいな小説もある。
ミステリーの世界でも「三毛猫ホームズ」シリーズは大好きだったし、ロバート・A・ハインラインの名作『夏への扉』も好きでした。
一方で、荻原規子さんの『グリフィンとお茶を』みたいな「魔法生物」に関するエッセイも大好物です。
現実(?)に近い話でも、佐々木倫子さんのマンガ『動物のお医者さん』とかおもしろかったですよね。チョビを飼いたかったけど、散歩が大変そうだから断念しました。
もっとリアルに大変そうで、でも愉快でシビアな現場が、鳥取環境大学の研究室です。小林朋道教授によって「森の人間動物行動学先生!」シリーズは、10巻を超えています。
今日ご紹介するのは、記念すべき10巻目の『先生、イソギンチャクが腹痛を起こしています!』です。
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『先生、イソギンチャクが腹痛を起こしています!』
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小林朋道教授は動物行動学者で、ヒトと自然の精神的なつながりなどを研究しておられるそう。
研究室にある水槽に新しいお客さまをお迎えし、「お・も・て・な・し」をしたときの話が、タイトルになっている「イソギンチャクが腹痛を起こしちゃった」事件です。
そもそも動物の生態(陸の動物も、海の生き物も)って、分からないことがこんなに多いんですね。人間ならインタビューという手法が使えますが、相手は動物。好きな餌も、心地よい環境も、ひとつずつトライ&エラーを繰り返して発見していくんです。
その過程が……。
笑いしかなかった!
教授自身が腹痛を抱えながら、珍しいコウモリに会えるかもしれない洞窟に調査に行くなど、研究者魂を感じさせるエピソードもあり、ヒトも動物も、生きることに熱心だなーという世界です。
最初に出版されたのは『先生、巨大コウモリが廊下を飛んでいます!』ですが、内容にあまりつながりはないので、どれから読んでも大丈夫。
人間は生きて生活しているだけで環境汚染の原因をつくっている、といわれているいま。自然とのつながりを感じることは、とても必要なことだと思うのです。
明日もこの地球で生きていたいから。
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