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『すべての瞬間が君だった きらきら輝いていた僕たちの時間』#767


韓国人男性の特徴を挙げるなら、まずは「マザコン」であることでしょうか。そして「ポエム男」も意外と多い気がします。

40代から50代の場合、座右の銘を漢文で挙げる人も。日本だったら「オレか、オレ以外か」って言いそうな人なのに……と感じたこともありました。

とはいえ、強さを前面に押し出している人だって、心の中までは分からない。しょっぱい思い出も、甘酸っぱい初恋も、自分なりの「詩」に昇華して、記憶しているのかもしれません。

ラブコメの帝王パク・ソジュンと、パク・ミニョン主演のドラマ「キム秘書はいったい、なぜ?」は、まさにそんなストーリーでした。


このドラマでキム秘書が読んでいた本が、ハ・テワンさんの『すべての瞬間が君だった きらきら輝いていた僕たちの時間』です。韓国でこのドラマが放送されていた頃、すでにベストセラーになっていたのだそう。

愛する人への言葉、別れた人への言葉、ひとつひとつの思いをすくい上げたようなエッセイなのですが、長編恋愛小説のようでもあります。

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『すべての瞬間が君だった きらきら輝いていた僕たちの時間』
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ハ・テワンさんは、SNSを中心に支持を受けてデビューしたため、「SNS作家」と呼ばれているそうです。年齢が出てこないけれど、本を出版した時に軍隊生活をしていたとのことなので、たぶん20代ですかね。

2作目にあたるこの本は、韓国でミュージカル化されるほど大人気に。

どのページを開いても、励まされるし、心を落ち着かせることができる。でも、やさしいだけじゃなくて、暗闇をのぞいているみたいな気持ちになる話もあります。

生活していれば、すべてがハッピーで、順調で、オーライな日ばかりではないでしょう。心の中に浮かんだカサカサを持て余してしまう夜は、ぜひ本をパラリと開いてみてください。

たとえば、「あなたは、本当にきれいで素敵な人」というエッセイには、こんな言葉が。

“あなたは
とても魅力的なのに
それを見せる方法を
よくわかっていないのです。
他の誰よりも
きれいで素敵な人であることは確かなのに。”


そこにある言葉が、いま自分に必要なものだと感じられる、ビブリオマンシー(書物占い)みたいな一冊。とても詩的で、励まされますよ。


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