韓国で人気のある日本の映画監督のひとりが、岩井俊二監督。
1999年に公開された「Love Letter」は、140万人を動員し、昨年末に5度目のリバイバル上映が行われました。
初恋物語が大好きという印象のある、韓国の映画ファンたち。「Love Letter」の影響もビシバシ感じる初恋物語の映画が、カン・ハヌルとチョン・ウヒの「雨とあなたの物語」でした。
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映画「雨とあなたの物語」
オフィシャルサイト
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2003年の韓国。ソウルで浪人生活を送るヨンホは、小学校時代の友人を思い出し、手紙を出すことに。釜山で暮らすソヒは、自分の夢を見つけられないまま、母と一緒に古い本屋を営んでいた。病気の姉ソヨンに届いたヨンホからの手紙を受け取ったソヒは、「質問しない、会いたいと言わない、会いに来ない」という条件のもと、姉に代わって返事を書くようになる。やがてヨンホは「12月31日に雨が降ったら会おう」という可能性の低い提案をするが……。
ドラマ「椿の花咲く頃」で、21世紀版ザ・いい人を見せてくれたカン・ハヌル。「雨とあなたの物語」では、青年ヨンホの浪人生活時代と傘職人となった時代を演じています。
(画像は映画.comより)
好青年×モジモジ男感満載のヨンホから、姉宛に送られてきた手紙を受け取るのは、釜山に暮らすソヒ。こちらはチョン・ウヒが演じているのですが。
チョン・ウヒはこれまで、アブナイ役が多かったんですよね。
「サニー 永遠の仲間たち」では、友だちにぶち切れてたし。
「悪の偶像」では、ソル・ギョングにぶち切れてたし。
「ハン・ゴンジュ 17歳の涙」で、主演女優賞を総なめにした鬼才です。
でも、「雨とあなたの物語」では、姉思いの、とてもかわいい役柄です。いい意味で、とても“フツー”の女性を自然体で演じてるんです。それがとてもよかった。
(画像は映画.comより)
ヨンホが浪人生活を送る2003年は、まだiPhoneの誕生前。日本でいう「ガラケー」はありましたが、SNSもなく、手書きの手紙でやり取りするふたり。
相手の姿が見えないという手紙の特徴が、上手に活用されています。
そしてまた、郵便で送る手紙は、「待つ」ことが大きな特徴なんですよね。
何か気になることがあれば、すぐにスマホを手にする時代。「待つ」ことのせつなさや期待感、ジリジリした気持ちを思い出しました。
毎年、12月31日には傘を手に、雨を待つヨンホ。はたして、雨は降り、ふたりは会うことができるのか。
雨が降るというだけでも確率は低いのに、12月末のソウルの気温はだいたい5度くらい。下手したら雪になってしまう……。
そんなドキドキも楽しめる映画でした。
映画「雨とあなたの物語」 117分(2021年)
監督:チョ・ジンモ
脚本:ユ・ソンヨプ
出演:カン・ハヌル、チョン・ウヒ、カン・ソラ、イ・ソル、イ・ヤンヒ、イ・ハンナ、カン・ヨンソク
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