「悲しんではだめ、泣いてもだめ、簡単に諦めてもいけません」 母の教えを守り、決してへこたれず、身分社会の壁を超えた女性・チャングム。その母の言葉です。 イ・ビョンフン監督の「宮廷女官チャングムの誓い」は、韓国だけでなく、日本でも大ヒット。歴史書にたった一行だけ書かれていた記録をもとに、壮大な歴史ドラマを作り上げる想像力がすごいですよね。 ☆☆☆☆☆ ドラマ「宮廷女官チャングムの誓い」 DVD (画像リンクです) ☆☆☆☆☆ <あらすじ> 幼い頃に母を亡くしたチャングムは、宮廷の調理場である「水剌間」の女官となり、母代わりになってくれる上司と出会います。謀略により、またまた“母”を亡くして、自身も島流しに。母たちの復讐を考えるチャングムは、内医院の医女となり、再び宮廷に戻ることにしますが……。 当初は全50話で放送予定だったものの、ドラマがスタートすると大人気に。そこで話数を伸ばして全54話にしたとのこと。ですが、最後は大慌てで話が畳まれていく、というか、畳みきれずに終わってしまいます。笑 演出家のイ・ビョンフンは、韓国のMBCでドラマ監督として活躍した方です。 時代劇にPOPSの挿入歌を取り入れたり、セリフを現代語にしたりと、現代人が親しみやすいドラマへの改革に取り組みました。 「時代劇の巨匠」とも呼ばれる彼のおかげで、たくさんのドラマに出会うことができたなーと感じます。 「チャングム」の企画が立ち上がったときも、局からは「宮廷の料理なんてマネできるもんでもないし、視聴者がくいつかないんでは?」と、一度ストップがかかったそうです。それでも、「不死鳥のような、彼女のへこたれない人生は、現代人の心を打つはず」と信じて制作。 おまけに、主演女優のキャスティングにも苦労したと著書で語っています。 (画像リンクです) 「チャングム」を演じたイ・ヨンエに声をかけたのは、多くの俳優にフラれた後でしたが、そんなことはおくびにも出さず、「あなたしかいない!!」と口説いたのだとか。 人に何かを依頼するときの礼儀を学べるエピソードだなと感じます。 すでに映画スターだったイ・ヨンエが、いまさらドラマに……?と言われても仕方がない中、不屈の女性を演じきった根性もすごかったなと思います。 初々しい研修生時代から、同僚の嫉妬と謀略、絶望と別れを経験して「大長今」という最高の称号を手に入れるまでの