打楽器には心を躍らせる魔力がある。 韓国の伝統芸能である農楽は太鼓や鉦を打ち鳴らしながら踊る音楽です。リズムで会話する感じがすごく好き。魔力にのせられてしまいます。 一番盛り上がるのは「ヨルトゥバル」です。帽子のてっぺんに長ーい白い紐をつけてグルングルン回しながら飛び回るんです。 「ヨルトゥバル」とは「12歩」という意味。昔は先に刃物をつけて回しながら攻撃したとも言われているそうです。いや、確かに近寄れない。笑 農楽は、「風流遊び」を意味する「プンムルノリ」とも呼ばれています。曲が進むうちに心臓の鼓動にシンクロしていくんですよね。よく分からないまま踊り出したくなるし、ものすごく高揚する。 太鼓のような楽器を使わず、自らの身体を楽器とする音楽ならタップダンスがあります。 タップダンスの起源は、白人が黒人の集まる場でのドラムを禁止したため、かわりに足を踏み鳴らして音を出したことらしいです。虐げられた者たちの解放の音楽ということか。 打楽器には心を躍らせる魔力がある。 映画「スウィング・キッズ」を観て、強く感じました。 ☆☆☆☆☆ 映画「スウィング・キッズ」 DVD (画像リンクです) Amazonプライムで配信: https://amzn.to/36pVR4p ☆☆☆☆☆ <あらすじ> 1951年の朝鮮戦争当時、韓国の南部にある巨済島の捕虜収容所に新しく赴任してきた所長は、対外的なイメージアップのために戦争捕虜でダンスチームを結成するプロジェクトを計画する。ブロードウェイのタップダンサーだった黒人下士官ジャクソンは「東洋人にタップダンスは無理」と反対するが、オーディションをすることになり……。 映画の一番の見どころはタップダンスのシーンです。寄せ集められたメンバーは。 ・トラブルメーカーで、北朝鮮軍捕虜のロ・ギス ・行方不明になった妻を捜す民間人捕虜のカン・ビョンサム ・栄養失調で心臓が悪い中国人捕虜のシャオパン ・4カ国語を駆使する無許可通訳の女の子ヤン・パンネ 言葉も通じない、イデオロギーも違う、敵と味方の関係にあるメンバーですが、ジャクソンが繰り出すタップのリズムの虜になってしまうのです。 ジャクソンを演じたのはジャレッド・グライムス。ブロードウェイミュージカルの最優秀ダンサーに授与される「アステア賞」の受賞者です。 ガチのプロのエンターテイナー。 彼に対抗するロ