俳優にとって「未知なる姿」をみせるのは、これほど難しいことなのか。 K-POPの世界では「カムバック=新曲・新アルバムを発表すること」のたびに、新しい姿をみせることが求められます。でも俳優の場合、これまで築いてきたイメージを壊すことはとてもリスキーなのですよね。 清純で、誠実で、勤勉で、マジメな役柄を演じてきたイ・ヨンエさんが、「調査官ク・ギョンイ」では、コメディとアクションに挑戦。 SBSドラマ 「師任堂、色の日記」 以来、約4年ぶりのカムバック作品での姿はというと。 ボサボサ髪に、首の伸びたTシャツ、ジャンクフードをボリボリしながら、お酒が手放せないゲーム廃人です。 元刑事で、推理の腕は一級品なのだけど、夫を亡くしてから引きこもり生活をしていた、という設定。 この、ギャップ。 正直にいって、最初はなかなか受け入れがたいものがありましたが、第3話くらいからようやくコメディ色が強くなり、なんとか完走しました……。 ☆☆☆☆☆ ドラマ「調査官ク・ギョンイ」 https://www.netflix.com/title/81486374 ☆☆☆☆☆ <あらすじ> 夫の死後、部屋に引きこもってゲームばかりしていた元刑事のク・ギョンイ。警察時代の後輩ナ・ジェヒから保険調査を依頼され、ゲーム仲間のサンタを相棒にして調査を開始する。不審な死亡事故を調べているうちに、夫の教え子が連続殺人鬼ケイではないかと疑うようになり……。 ドラマのオープニングが、ギョンイとケイのアニメーションだったので、てっきりウェブトゥーンが原作なのだと思っていました。けど、どうやら違ったようです。 このドラマの脚本を担当したソン・チョイは、ルーキーたちが集まる共同作家チームのひとりなのだそう。 「独特」すぎたのか、オンライン制作発表会に参加したイ・ヨンエさん自身、「台本を何度読んでも理解できなかった」と語っていました。 高校生時代から変わらず、軽いノリで「だって悪い人なんでしょ?」と、人を抹殺してきたケイ。あまりにも悪びれないので、なんの共感もわかないまま……。そこがつらかった一因かも。演じたキム・ヘジュンさんは、はつらつとしてました。 「キングダム」の王妃を演じていたと知って、びっくりでした。 ケタ違いのスケールで問う。命か、権力か Netflixドラマ「キングダム」 #263 なんだか辛口になってし