スキップしてメイン コンテンツに移動

投稿

『こぶたくんの恋ものがたり』#798

誰かが恋に落ちる瞬間を目撃すると、ドキドキしてしまいませんか? 胸がキュッとしたり。 顔がポッポしたり。 夜になっても眠れないのはなぜだろう。 空にポツンと浮かぶ雲を見るだけで、涙が出ちゃうのはなぜだろう。 恋することによって湧き上がるセンチメンタルを、ユーモアたっぷりに描いた絵本がありました。主人公は「こぶたくん」です。 ☆☆☆☆☆ 『こぶたくんの恋ものがたり』 ☆☆☆☆☆ 作者のウルフ・ニルソンスは、スウェーデンの作家です。図書館司書や教師を経て、児童文学の作家になったそう。 この本は、むかーし「ジャケ買い」したのですが、『ぼくのかわいいおさるちゃん』や、『みどりの谷のネズミしょうぼうたい』など、かわいいけど、かわいいだけじゃないお話をたくさん書かれています。 難しい漢字も使われているので、児童向けではないのかも。でも、誰かを想う気持ちが自分を強くしてくれる姿は、大人でも勇気づけられます。 ここのところ、重たい目の映画や本を取り上げていたので、今日はわたしの偏愛のもとである「ブタ」にしてみました。 我が家はブタグッズにあふれていて、わりと色んなものが「ブタ」です。 ダンナのTシャツも、もちろん「ブタ」。 K-POPを聞いても、まだまだ特定の「推し」はいませんが、ブタさんは長年続いている偏愛です。ブタさんを見ると湧き上がる、恋する気持ち。 そういえば、ダンナと仲良く話すようになったきっかけは、カップに描かれたブタのイラストが、ダンナに似ていたからだったな、なんてことを思い出しました。 いま、ケンカ中で10日ほど口をきいてないですけどね……。

『まとまらない言葉を生きる』#797

「言葉が壊れてきた」と思う。 そんな一文から始まる荒井裕樹さんの著書『まとまらない言葉を生きる』は、言葉が軽くなり、雑に扱われ、攻撃性を帯び、壊れてしまった、いまの時代の処方薬になるかもしれません。 ☆☆☆☆☆ 『まとまらない言葉を生きる』 ☆☆☆☆☆ 荒井裕樹さんは、二松學舍大学文学部准教授で、障害者文化論を研究されている方です。本の中で紹介されているのも、障害者運動や反差別闘争に参加された“無名の”方たちの言葉。 これがズシリと響いてくるんです。 政治を巡る状況、オリンピックに関連したドタバタ、SNSに飛び交う言葉、そして昨日ご紹介した映画「パンケーキを毒見する」などなどに日々触れながら、わたしはとても傷ついていたんだなと気が付きました。 映画「パンケーキを毒見する」#796   20代の頃、ライターの先輩に言われた言葉を思い出します。 「発信するっていうことは、次の時代の文化をつくることなんだよ」 日本語を正しく使うことはもちろん、何かを発信することの責任をひしひしと感じたものでした。 現在はすべての人が発信者となることができます。 それだけ発信することが民主化されたともいえるけれど、はたしてこれは「次の時代の文化」をつくることにつながっているんだろうか。 ただおもしろければいい、PVを稼げればいいという目的で、どんどんと軽さがエスカレートしていった、ウェブメディア。再生回数目的で、愚行を撮影する動画。あからさまな憎悪を垂れ流す投稿。 言葉があまりにも軽く扱われる様が、未来にどうつながるのか、わたしにはまったく理解できなくて、だから、とてもつらかった。 荒井さんも、憎悪表現があふれるいまの時代を、「しんどい時間」と表現されています。 しんどくてネガティブな言葉が増えてしまうと、ある程度感受性のスイッチを切らないとやっていけません。いちいち全力で反応していたら体がもたない。でもそれは、考えるのを止めることなんですよね。僕たちは言葉を巡ってものすごくしんどい時間を生きているんじゃないかと思います。 「まとまらない言葉を生きる」荒井裕樹さんインタビュー 差別・人権…答えが見つからないものこそ言葉により 「まとまらない言葉を生きる」荒井裕樹さんインタビュー 差別・人権…答えが見つからないものこそ言葉に|好書好日   そんな荒井さんが駆け出しの研究者だった頃、

映画「パンケーキを毒見する」#796

第4の権力と呼ばれたジャーナリズムは死んだのか。 学生時代、元朝日新聞記者の本多勝一さんの著書に傾倒していたわたしにとって、観たいけど、観たくない映画がありました。 これ以上、現実に絶望したくないから。 そんな想いを抱えつつ、観に行った「パンケーキを毒見する」。やっぱり行くんかい!なんですけど、やっぱり絶望してしまいました……。 でも、目を背けてはいられないと思うのです。この現実を。 ☆☆☆☆☆ 映画「パンケーキを毒見する」 https://www.pancake-movie.com/ ☆☆☆☆☆ 2019年に公開され、ダブル主演を務めたシム・ウンギョンと松坂桃李が、第43回日本アカデミー賞で最優秀主演男優賞と最優秀主演女優賞を受賞。そして最優秀作品賞にも輝いた映画「新聞記者」。 日本ではあまりなかった社会派劇映画でした。 ☆☆☆☆☆ 映画「新聞記者」 DVD Amazonプライム配信 ☆☆☆☆☆ 「パンケーキを毒見する」は、「新聞記者」のプロデューサーである河村光庸さんが、企画・製作・エグゼクティブプロデューサーを務めた映画です。第99代内閣総理大臣・菅義偉の素顔に迫った「政治ドキュメンタリー」映画。 って、映画.comなどでは「政治ドキュメンタリー」と紹介されていますが、どちらかというとパンフレットにあるように「政治バラエティ映画」だと思います。 その点が、もしかしたら好き嫌いの分かれるところかも。 わたしは「ドキュメンタリー」映画が好きなので、正直に言って、微妙に感じるところもありました。たぶん、恣意的にみえるからでしょう……。 石破茂さんや、江田憲司さんら代議士、元官僚の古賀茂明さん、元朝日新聞記者の鮫島浩さんらのインタビューのほか、実際の国会での“議論”の様子を、上西充子教授が解説されています。 特に、国会での“議論”。 ここで露わにされるのは、言葉がないがしろにされていく様子です。 総理が質問に答えない、というニュースは見たことがあったものの、実際の映像は見たことがなかったんですよね。映画では20分もの国会映像を見ることができます。 そんな長いものを? と思いますよね。でも、上西教授がツッコミながら解説してくれるので、思わず笑ってしまう。 いや、笑ってる場合じゃないんだけど。国会は「言論の府」だと習ったはずが、会話がまったく成立しない

『破天荒フェニックス オンデーズ再生物語』#795

小説を読んでいて、「すげーー!!!」と思うものの、じゃあいったい、何がすごいのかを説明できないことってありませんか? 瀕死状態のメガネチェーン店「オンデーズ」を再生させた物語として、絶賛されていた田中修治さんの『破天荒フェニックス』なんて、まさにそれでした。 ☆☆☆☆☆ 『破天荒フェニックス オンデーズ再生物語』 ☆☆☆☆☆ 田中さんが買収を決めた2008年1月時点の、オンデーズの財務状況がこれ。 年間売上:20億円 負債:14億円 営業利益:▲2.4億円(毎月2,000万円の赤字) 月の返済額:8000万~1億円 店舗数:国内60店弱 直営7:FC3の割合 小説は、田中さんが正式に社長に就任し、そこから幾度となく訪れる倒産危機を乗り越え、銀行取引正常化を達成するまでの物語です。 社長就任当時の田中さんは、30歳。ミュージシャン“志望”から、デザイン会社を経営するようになり、オンデーズ再生に名乗りを上げたのですが。 口癖は、「倒れる時は前向きにだ! ハハハ」。こわいよ。 田中さんを支えるため、コンサル会社からオンデーズにCFOとして合流したのが、奥野さん。小説においては「影の主役」です。 口癖は、「資金が足りません!!!」。どんなだ。 なにしろ借金が多いので、銀行から新規の借り入れができない状態なのにもかかわらず、田中社長は、新規店舗を出すわ、雑貨チェーンを買収するわ、海外進出するわで、奥野さんは気の休まるヒマがないんです。 「1千万の資金がショートします!」 「1億円の資金がショートします!」 毎度お決まりのような奥野さんの叫びが聞こえる……というストーリーです。 で、この小説のタイトルにある「破天荒」って、どういう意味なんですかね? 「破天荒」とは、誰もなしえなかったことを初めてすることという意味です。誰もなしえなかった=オンデーズの再生って、なんでそんなにムリゲーだったんだろう。 この疑問を中心にして、会社のCFOに解説してもらう研修をおこないました。 わたしは、オンデーズの会社としての方向性が固まり、チーム力がアップしていく東日本大震災のボランティアのシーンが好きだったのですが、さすがに今回の研修ではスルー。 「債務超過に陥った場合、資金の流出を止めるには?」といった比較的簡単な質問から、小説を紐解いていくんです。 基本的には、 ① 収入を増やす

『「数字」が読めると本当に儲かるんですか?』#794

「ファイナンスを勉強しておいた方がいいよ」 とは、よく言われるのですが、この時、やってはいけないことがあるそうです。 「じゃあ、簿記の資格でも取ろうかな」 ってやつ。 もちろん、知らないよりは知っていた方がいいですが、簿記はどちらかというと実務に必要な知識。もっと大枠の経営戦略やビジネスプランをとらえるために必要なのが、ファイナンスなんではないかと思います。 とはいえ、会計のことだってよく分かってない……という方におすすめなのが、古屋悟司さんの『「数字」が読めると本当に儲かるんですか?』です。 ☆☆☆☆☆ 『「数字」が読めると本当に儲かるんですか?』 ☆☆☆☆☆ 脱サラしてお花屋さんをオープンした主人公。でも赤字ばかりが積み上がり、キャンペーンをやったり、倒れるほど働いたりするけど、右肩下がりの状況です。 そこにやってきたのは、スゴ腕の税理士さん! こんなストーリー仕立てで、会計の知識と、商売・経営を結びつけて把握することができます。 会計と一口にいっても、2種類に分かれるのだそう。 財務会計:決算や税金のための報告書 管理会計:儲けるための羅針盤 と考えればいいらしいです。 本で取り上げられているのは、管理会計の「限界利益」という考え方です。 利益を生み出す商品構造、値付けといった“当たり前”のことが、より実務と紐付いた形で解説されるので、経営戦略を立てられるようになりたい、いずれは独立したいという方の最初の一歩にピッタリだと思います。 「売上が足りないのが、赤字の原因ではない」 って、経営を知らないわたしには「ええっ、そうなの!?」という話でした。だって、売上が上がればハッピーなんじゃないかと思っていたのに。実は、花屋さんの脱サラ社長も同じだったようです……。 まずはこの勘違いを正していくのですが、会計の知識がある人には、「ここから!?」というレベルかもしれません。 が、在庫と売上の関係や、値上げ・値下げがどのように売上に影響するのかといったことを、ビジネス視点で考えることができるので、経理担当者にもおすすめです。 著者の古屋悟司さんは、楽天で「ゲキハナ」というお花屋さんを運営されています。倒産の危機を乗り越え、V字回復に成功したというその歴史に、学ぶこと多しです。 【楽天市場】一流品を卸値販売致します!激安から激レアまで!:ゲキハナ 感激安心のお花屋

『会計クイズを解くだけで財務3表がわかる 世界一楽しい決算書の読み方』#793

やった方がいいよね、できた方がいいよね、と思いつつ、ずっと積み残している宿題があります。 それは、「ファイナンス」です。 だって数字ばっかり書いてるんだもん!と、算数苦手組は思ってしまうのですけれど。 ダイヤモンド編集部が実施した「社員には会計・ファイナンスの知識をどれくらい理解していてほしいですか?」というアンケートによると……。 一般の従業員に対しては、 「売上高と利益」の理解を求める:44%の企業 「財務3表」の理解を求める:29%の企業 だそうです。もちろん、役職が上がると、「ROE(自己資本利益率)やROA(総資産利益率)など財務3表上の数値を組み合わせた指標」なんていう項目の数値が上がります。 「ちゃんと知識つけてね」と考えている企業の方が多いんですね。そりゃそうか。 データが裏付け!課長&部長になりたきゃ決算書の理解は必須! | 週刊ダイヤモンドの見どころ | 週刊ダイヤモンド   わたしは高校の時に日商簿記検定の2級をとりました(1級は工業簿記が入るため、受験できなかった)。ただ、この段階では、「勘定科目が分かる」くらい。「会計が分かる」こと、さらには「ファイナンスが分かる」といえるのは、別次元の話です。まずは決算書の読み方から、と思っても。 数字ばっかり書いてるんだもん!!! 会社の研修で使うため、いろいろ探していた中でおもしろかったのが、公認会計士である大手町のランダムウォーカーさんの『会計クイズを解くだけで財務3表がわかる 世界一楽しい決算書の読み方』でした。 ☆☆☆☆☆ 『会計クイズを解くだけで財務3表がわかる 世界一楽しい決算書の読み方』 ☆☆☆☆☆ 超シンプルにつくられたPLやBSの表を見ながら、クイズに答えていくと、あーら不思議。財務諸表の見方のポイントや、ビジネスの構造が理解できるような形式になっています。 (画像はAmazonより) いまサラッと「PLやBS」なんて書きましたが、こういう初めて出会うであろうワードにもちゃんと解説がついています。 ちなみに、 PL(損益計算書):企業の経営成績を示すためのもの BS(貸借対照表):財政状態を把握するためのもの です。 わたしは社内研修の企画を担当しているため、どうやったら「ファイナンス」の講義がおもしろくなるんだろうと、ずーーーーっと考えていました。 数字が苦手な人に

ドラマ「海街チャチャチャ」#792

「人生は、そんなに公平じゃないんだ。一生、デコボコ道な人もいるし、必死で走ったのに絶壁にぶち当たる人もいる」 8月から韓国で放送が始まり、日本でもNetflixで観られるドラマ「海街チャチャチャ」のセリフです。 人生って、公平じゃないんだよなーーーーー。 でも、きっと、16話が終わる頃には、わたしはこの感動を忘れてしまう気がする。 マメな方はTwitterなどのSNSに、各話ごとの感想を上げるのだと思います。でも、朝にブログをアップしたあとは、Twitterを開く時間もないことも多いのですよね。 なので、1話ずつ感動を連ねていって、「育てるブログ」にしてみようかと思います。 ☆☆☆☆☆ ドラマ「海街チャチャチャ」 Netflix配信 https://www.netflix.com/title/81473182 ☆☆☆☆☆ <あらすじ> 腕のいい歯科医だが、コミュニケーション下手なユン・ヘジンは、院長とケンカをしてクビになってしまう。再就職が難航する中、亡き母との思い出の海辺を訪れる。停電のため、ATMもスマホも使えなくなったヘジンは、なんでも屋のホン班長に振り回され、歯科医院のない漁村・コンジン洞で開業することになるが……。 主演は、シン・ミナとキム・スンホ。ふたりともえくぼがチャームポイントなので、「えくぼカップル」なんて呼ばれているそうです。 (画像はNetflixより) ふたりが暮らしている町「コンジン洞」は、架空の町ですが、撮影は浦項市で行われているそう。浦項って、「椿の花咲く頃に」の町でもありますね。 人は、誰かの奇跡になれるだろうか? ドラマ「椿の花咲く頃」 #381   見始めた当初は、とにかくキム・スンホの恋を成就させてやってくれー!!!という思いでした。 「海街チャチャチャ」第1話を観て、心から思うこと。 今度こそ、新“ザ・いい人”キム・ソンホの恋が叶いますように…。 「100日の郎君様」と「スタートアップ:夢の扉」見てたらなー。やさしくしてあげてーと思っちゃう😆 pic.twitter.com/1n6PKwEfnx — mame3@韓国映画ファン (@yymame33) September 5, 2021 第1話で、ソウルに帰れなくなったヘジン。行く先は、「行き場をなくした時のあるある」で、チムチルバン(サウナと健康ランドが合体したような場所