この子は来る!!!
映画やドラマを観ていて、新しい俳優を見かけると思わず注目してしまいます。そんな中でも、「この子は来る!」と思った俳優が、実際に人気スターになっていくのはうれしいもの。
最近ではチョン・ヘインがそうでした。すっきりしょう油系のイケメンです。
(画像はKMDbより)
たぶん最初に観たのは映画「チャンス商会~初恋を探して~」でしたが、ドラマ「刑務所のルールブック」の方が印象に残っています。汚名を着せられ、怒りがマグマのように燃えている、でも世の中をあきらめてしまった元陸軍大尉役でした。
他の役はどんなだろうと観てみたのが、映画「ユ・ヨルの音楽アルバム」です。現在、DVD化されておらず、Netflixでだけ観ることができます。
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映画「ユ・ヨルの音楽アルバム」
https://www.netflix.com/title/81165326
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義姉と共に、母から受け継いだ小さなパン屋を営む高校生のミス。「豆腐をください」と入ってきたヒョヌと出会います。学校を辞め、パン屋でアルバイトをすることになったヒョヌですが、悪い友だちと出かけてしまい、連絡がとれなくなってしまう。3年後、偶然出会ったふたりですが、またすれ違ってしまい……。
初恋のせつなさを、そのまま映画にしたような映画です。チョン・ヘインが演じているのは無口な青年のヒョヌ。彼が「豆腐をください」と言ったことから、ミスは彼が「刑務所帰り」であることを察します。
韓国映画でよく出てくる「お豆腐の丸かじり」ですが、これは刑務所を出所した後の儀式なのだそうです。一種の厄落としのようなものでしょうか。
ワルの友だちとの縁を切りたくても切れないヒョヌ。新しくアルバイトを見つけてもパワハラ騒ぎに巻き込まれたりして、とことんついてないんです。
ふたりをつなぐモチーフとして使われているのが、ラジオです。
映画タイトルの「ユ・ヨルの音楽アルバム」は、実在のラジオ番組の名前。実はテレビの音楽番組に「ユ・ヒヨルの音楽アルバム」というのがあって、映画が公開された頃はよく間違えられていたそう。
1994年から始まる物語は、だいたい3年おきのすれ違いを経て、2005年の再会まで続きます。近づいては遠ざかり、遠ざかっては近づくふたり。想いを伝えることはできるのか……という部分に、恋しさと、せつなさと、もどかしさが募っていく。
奇跡って、特別なものじゃない。常にわたしの身の回りに起きていて、それに気がつくかどうかだけなんでは。
そんな気持ちにしてくれます。90年代のレトロさが、のんびりしたバスでの移動やラジオというツールにとてもマッチしています。
チョン・ヘインのドラマは他に、「よくおごってくれる綺麗なお姉さん」「ある春の夜に」がNetflixで観られます。チョイ役だけど「トッケビ〜君がくれた愛しい日々〜」にも出演。ここで、ミス役のキム・ゴウンと共演しているんですね。
要注目の俳優です。
映画「ユ・ヨルの音楽アルバム」122分(2019年)
監督:チョン・ジウ
脚本:イ・スギョン
出演:キム・ゴウン、チョン・ヘイン、パク・ヘジュン、キム・グッキ、チョン・ユジン、チェ・ジュニョン、ナム・ムンチョル
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