カン・ジェギュ監督というと「シュリ」はもちろん、「ブラザーフッド」や「マイウェイ」など、迫力のあるシーンが思い浮かぶのですが、「チャンス商会」は一転、小さな町の、小さなお店を舞台にした“初恋”の物語です。
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「チャンス商会 初恋を探して」
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韓国版ブロックバスター映画の代名詞のような監督による、困難を乗り越えて、固く結ばれる愛の姿。アクションの巨匠が夢見る、ファンタジックなラブストーリーといえるかもしれません。
2008年のアメリカ映画「やさしい嘘と贈り物」のリメイク作品ですが、老いらくの恋だと思っていた風景が一転するあたりは、韓国映画のスパイスが特盛りになっている感じがします。もー、涙なしでは観られない。
生きることも、老いることも、ひとりでできることだけど。やっぱり誰かと一緒なら、もっと充実させられるのかも。何度生まれ変わっても、この人にときめく。そんな人の縁を信じさせてくれるストーリーです。
チャンスマートで働く頑固なおじいちゃん「ソンチル」を演じるパク・クニョンは、冷徹で権威的な役柄でよく見る俳優でした。
「お主も悪よのぉ。グォホッホッホッホ」
なんていう悪代官風味漂う感じなんですよ。なのに、70歳になって最後の恋って……。そう思っていたのですが。マートの社長(チョ・ジヌン)にデートの盛り上げ方を習い、必死にエスコートする姿は、かわいいしかない。
その「ソンチル」が一目惚れしてしまった老婦人「グンニム」を演じたのが、ユン・ヨジョン。韓国映画界の“永遠のミューズ”と呼ばれている方です。
先月、日本でも公開された映画「ミナリ」で、世界中の映画賞で37冠を達成。37!? 意味分からなくなってきたけど、今日開催される第93回アカデミー賞でも助演女優賞にノミネートされていて、賞の行方が気になってたまらない……。
わたしが初めてユン・ヨジョンを観たのがホームドラマの「がんばれ!クムスン」でした。嫁いびりのキッツいおばあちゃんで、でも孫には甘い。懐の深さを感じる演技がとても印象的でした。でもこの時、まだ50代だったそうでびっくり。
ドラマ「がんばれ!クムスン」
「チャンシルさんには福が多いね」でも、哲学的な達観したおばあちゃんを演じています。
「ミナリ」
パク・クニョンもユン・ヨジョンも、50年以上のキャリアのあるふたりですから、これまで恋人同士も、仇役も演じてきました。映画のメイキングでも、「最初はちょっと違和感があったw」と語っています。
確かな演技力で放たれる、最後の恋に隠された秘密。これを愛と呼ばずして、どうする。
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