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『才能の正体』#643

「自分には才能がない」という言葉こそ、自分の才能を枯らせてしまう。 「ビリギャル」を指導した坪田信貴さんの『才能の正体』を読んで、「才能」についての考え方を改めることになりました。 ☆☆☆☆☆ 『才能の正体』 https://amzn.to/3bXkl4Z ☆☆☆☆☆ よくいわれる「地アタマがいい」という言葉も、IQテストも、目を曇らせるもと。目的に向かう動機づけと正しい努力があれば、誰でも才能を花開かせることができる、と坪田さんはいいます。これはつまり、「才能」は言い訳にならないという厳しい指摘でもあります。 わたしは社内研修を担当しているので、「なにが、なんで分からないんだろう」を探るのが仕事です。以前はよく、「分からないのに、なんで努力しないんだろう」と考えていました。 ですが、この本を読んで、 まず現状と目標とのギャップを把握 ↓ 目標への行動を自分で決める というステップを踏んでもらうように改めました。そして、わたし自身が「相手は才能のカタマリである」と心から信じられるようになったんです。 この変化は、自分をとてもラクにしてくれました。 「ビリギャル」本の裏側について書かれた部分もありますが、こちらもやっぱり「動機づけ」が大きかったそうです。 「自分には才能がない」という言葉が言い訳でしかない点は、「くまモン」のアートディレクターである水野学さんの著書『センスは知識からはじまる』とも通じそう。 わたしを悩ませる“センス”の正体 『センスは知識からはじまる』 #183   自分に何ができるか分からないという方はもちろん、チームを引っ張る立場の方にもおすすめです。

『NO RULES 世界一「自由」な会社、NETFLIX』#642

その昔、「腐ったみかんの方程式」が話題になったことがありました。 「箱の中のみかんが一つ腐り始めると、他のみかんも腐ってしまう。だから、腐ったみかんは早く取り除かなければならない」 これを聞いた武田鉄矢扮する金八先生が憤慨していました。 「私たちはみかんを作ってるのではない。人間を作っているのだ!人間の精神が腐るということは絶対ない!!」 会社という場所もこれと似ていて、「腐ったみかん=カルチャーの合わない人」がいると、その空気は伝染していきます。でも、会社で作っているのは「人間」というわけでもない。 『NO RULES 世界一「自由」な会社、NETFLIX』には、足を引っ張るメンバーを1人加えたグループでは、成績が30~40%も低くなったという研究が紹介されています。 ☆☆☆☆☆ 『NO RULES』 https://amzn.to/3fJTAC9 ☆☆☆☆☆ Netflixは、集団に凡庸なメンバーがいるだけで、組織全体のパフォーマンスが落ちると判断。勇気と規律を持って辞めさせるそうです。 スピード感があり、イノベーションの生まれる職場には「最高の同僚」だけが集まっている。 お互いを「最高の同僚」と認めているからこそ、常に率直なフィードバックを送り、コントロールによるリーダーシップではなく、コンテキストによるリーダーシップを推奨しています。 率直なフィードバックといっても、「思ったことをなんでも口にしていい」わけではありません。「4A」というガイドラインに則って行われます。 「4A」ガイドライン 1 相手を助けようという気持ちで(AIM TO ASSIST) 2 行動変化を促す(ACTIONABLE) 3 感謝する(APPERECIATE) 4 取捨選択(ACCEPT or DISCARD) 4のフィードバックを受け入れるかどうかは本人次第という姿勢も、Netflixらしいといえそうです。 休暇日数は指定しないとか、不要な社内規定を全部なくすとか、日本の企業だと「ひょえー」となっていまいそうなシステム。でも「ひょえー」と思ってしまう時点で、乗り遅れているのかもしれない。 自由って厳しいことがよく分かる一冊です。

『心理的安全性のつくりかた』#639

「怒鳴っている人がいてびっくりした」 弊社に転職してきた方が、一か月後のフォローアップ面談で語っていたことでした。お恥ずかしい……。ずいぶん前の話です。 仕事の場で感情的になることが、よしとされる場面もあるでしょう。達成して喜びを分かち合い、ねぎらうような時ですね。でも「叱る」時こそ、自分の感情は横においておいたほうがいい。でないと、しっかり指摘して正さないといけないミスや勘違いが、どんどん言いにくくなってしまうから。 Googleは、「心理的安全性を高めると、チームのパフォーマンスと創造性が向上する」と報告しています。が、この「心理的安全性」について、仲良しグループをイメージしている人もいるのではないでしょうか。 どう違うの?という方におすすめなのが、石井遼介さんの『心理的安全性のつくりかた』です。 ☆☆☆☆☆ 『心理的安全性のつくりかた』 https://amzn.to/349Y8MQ ☆☆☆☆☆ 石井さんによると、「心理的安全なチーム」とは、「メンバー同士が健全に意見を戦わせ、生産的でよい仕事をすることに力を注げるチーム・職場のこと」です。 この「健全に意見を戦わせ」るという点がポイントで、上司が部下の意見を「なんも分かってない」と退けたり、知識と経験が豊富な先輩がマウントを取るようだと、健全な状態ではなくなってしまうのです。 日本の組織では、 ① 話しやすさ ② 助け合い ③ 挑戦 ④ 新奇歓迎 この4つがそろう時、心理的安全性が感じられやすいのだそう。 学ぶところの多い本で、「好子と嫌子」の行動マネジメントは、ハッとするものでした。 会社のmtgで、「心理的安全性を大事にしたい」という話になったとき、どうもわたしが考えている「心理的安全性」とは違う気がして質問してみました。するとやはり、イメージしていたのは「仲良しグループ」だったんですよね……。 「心理的安全性」は、「仲良しグループ」とは正反対のものです。 耳に痛いことでもしっかりとフィードバックを送り、健全な衝突を生み出す機能のこと。「衝突」が、即ちよくないことと受け止められがちな日本では、難しいと感じる人もいるかもしれない。 でも。 フレッシュなメンバーが職場にやってくる季節です。組織の空気作りについて、見直してみませんか?

『リッツ・カールトン 最高の組織をゼロからつくる方法』#637

「現場に裁量権を渡して、自ら動く仕組みを」 最近、よく耳にするようになった言葉ですが、“本当に”それを実施できている企業ってどれくらいあるのでしょう? リッツ・カールトンの創業メンバーが書いた『最高の組織をゼロからつくる方法』は、それをチェックするのにピッタリかもしれません。かなりうらやましい気がするエピソードも満載な一冊です。 ☆☆☆☆☆ 『リッツ・カールトン 最高の組織をゼロからつくる方法』 https://amzn.to/3vC1uUR ☆☆☆☆☆ 「お客さまに満足していただくためなら2000ドルまで自由に使ってよい」という決裁権の話は有名になりました。 たとえば、メキシコのビーチの側にあるホテルで起きた出来事があります。 新婚ホヤホヤのカップルが、宿泊中、ビーチで結婚指輪を落としてしまったのです。どんより沈むカップルのため、4人のスタッフがそれぞれの2000ドルで金属探知機を購入。ビーチを探索して指輪を発見し、朝食の席に届けたというエピソードです。この時、スタッフたちは上司の決裁を仰がずに動いたのですが、もちろん怒られることなんてなく、カップルにも感謝されました。 こんなことしてもらったら、惚れちゃう!!! なぜリッツではこうした動きができるのかというと、会社がスタッフを「紳士淑女」のように遇すると決めているから。 “私たちも一人の紳士、一人の淑女としての誇りを持って仕事に取り組むことができる。私たちはサービス業界のドアの陰でゲストにかしずく召使いではない。” 企業人としての失敗についても率直に告白し、一年前、三年前と比較してどれだけ進化したかを基準にしているそう。 目標に向かって効率的に走ろうとするのはいいのですが、そうした人ばかりだと、周囲の人間が“手段”として使われているように感じることがあります。リッツでもやはり、改革に合わない人は去って行ったのだとか。 きちんと、人間的な関係を結ぼう。 組織作りの第一歩は、ここにあるように思います。優れた社員を育成するために必要なことは、「徹底的に繰り返すこと」。クレド(行動指針のようなもの)を作って満足してちゃダメなんですよね。 今年の新人研修で、何度も何度も何度も伝えたことがありました。 「できないのは当たり前! そこで落ち込まなくてOK!」 「分からないだけじゃなく、判断に困ったら相談しよう!」 ちょっとだい

『育成の本質 才能が開花する環境のつくり方』#636

現代は「個の時代」といわれていますが、だからこそ「チーム」として力を合わせられる人が求められています。 そんな人材は、どうやったら育つのか。 『育成の本質 才能が開花する環境のつくり方』は、元サッカー日本代表選手の菊原さんと、楽天大学学長の仲山さんによる「チーム」についての対談本です。 ☆☆☆☆☆ 『育成の本質 才能が開花する環境のつくり方』 https://amzn.to/3vxsUuW ☆☆☆☆☆ 菊原さんがプレーされていたころの、読売クラブの例がとても刺激的でした。 ラモスさんと都並さんが、試合中にケンカをしていたくらい、勝つために言わないといけないことを言う。自分の意見が尊重される=心理的安全性の大切さを感じさせるエピソードがいっぱいです(そしてなぜヴェルディが低迷したのかも……)。 テーマはサッカーですが、「チームの成長ステージ」の変化や、支援の法則などは、ベンチャー企業でも使えそうなモデルです。伸びない子の特徴として挙がっていた「うまくいかなかった時に振り返りをしない」は、新人時代こそ気を付けたいことでした。 今年は強い組織作りに取り組みたいと考えていたところに出会った本。「サッカーを通して幸せになる」という話はそのまま、「仕事を通して幸せになる」につながると思います。 そうだよなー。幸せに生きたいのですよね。

オンラインの話し方と映り方総まとめ 『オンラインでの「伝え方」 ココが違います!』 #633

オンラインでの会議にもずいぶん慣れました。人間って適応して生きていくものなんだなーと思っていたころ。育休から復帰してきたメンバーが、いろいろと質問をしてくれました。 そうだった。 自分たちは慣れたつもりでも、「初めて」にはそれぞれのタイミングがある。Zoomでのミーティングだって、使い方は教わったけれど、「映り方」までは考えていなかったかも。 新人たちがやってきたいまのタイミングは、あらためてオンラインの使い方を見直す時なのかもしれません。 元NHKキャスターの矢野香さんが書いた『オンラインでの「伝え方」 ココが違います!』は、オンラインでの「映り方」「話し方」「資料の作り方」を知ることができる本です。 ☆☆☆☆☆ 『オンラインでの「伝え方」 ココが違います!』 https://amzn.to/388mj06 ☆☆☆☆☆ 著者の矢野香さんは現在、スピーチコンサルタントとして政治家や経営者にスピーチ指導を行っておられるそう。 【矢野香公式サイト】エグゼクティブのための信頼される話し方   わたし自身、オンラインで研修やミーティングをしていて、一番困っているのが「反応」です。 あいづちを打つ→スピーカーと被ってしまう 質問ありますか?と聞く→無反応 この状況に耐えるには、鋼のメンタルがいるな……と試行錯誤してきました。 矢野さんのおすすめは、「話者が話を短く切ること」です。話の切れ目であいづちを打てば、スムーズにいくとのこと。あと、手を挙げるなどして合図を送ることもおすすめされています。 あらためて気を付けたいなと思ったのが、「映り方」でした。上からのぞき込むようにしていると「アツ」になると聞いていたので、そこは気を付けていたんですが、わたしの場合は「首切り」状態だった……。 オンラインの方がありがたいなと思うところは、画面に表示されるため資料が見やすいことです。その分、リアルの時よりも文字サイズを小さめにしてもいいのではないかということでした。そして話す順番は、「資料と同じ」が大事とのこと。 いろいろと気づくことの多い本だったのですが、(ウェビナーとミーティングの注意事項が混ざってるんじゃ!?)と感じるところもあります……。 たとえば、手を挙げるなどして合図を送る「アクションファースト」という考え方。これはこれでいい方法だなと思うのですが、一方で矢野さんは「人から見ら

がんばって働くのは誰のためになる? 『会社というモンスターが、僕たちを不幸にしているのかもしれない。』 #360

キャリアパークが実施した「企業選びで重視する点ランキング」によると、就職活動で重視する点1位は「業務内容」だったそうです。 【就職先を決めるポイント】企業選びで重視する点ランキングTOP5│知っておきたい決断基準 | キャリアパーク[就活]   1位:業務内容 2位:勤務時間・所在地 3位:会社の雰囲気 4位:給与・昇給・昇格 5位:福利厚生 この結果には、うなずける気がします。仕事を探そうと言うとき、わたしも自分がやりたいことや向いていることを基準にするからです。 ただ、自分がここで働きたいと思う「会社」とは、どんな存在なのか? サイボウズ株式会社社長の青野慶久さんは、著書『会社というモンスターが、僕たちを不幸にしているのかもしれない。』の中で、「カイシャとはこれだ」と指で差せるものがないと語っています。なのにそこでは「我慢レース」が行われているのだ、と。 ☆☆☆☆☆ 『会社というモンスターが、僕たちを不幸にしているのかもしれない。』 (画像リンクです) ☆☆☆☆☆ 会社で楽しく働くために、社内で試した実験と法則が語られています。 なので会社員や人事の方におすすめの本ですが、就職活動中の学生が読む方が得るものが多いのではないかと思います。 「会社」とは、どんな存在なのか? 日本には「会社法」という法律があって、会社の設立、組織、運営及び管理について定めています。 小難しい法律を読むよりも、『会社というモンスターが、僕たちを不幸にしているのかもしれない。』を読む方が、「会社」という存在を理解できるからです。 コレと指差せるものがない「会社」には、実体がありません。 でも、多くの人が「会社」に勤めていたり、「会社」をつくろうとしたりしています。また、「会社」であがった利益はどこにいくのか、それを決めているのは誰か。なぜ社員の自分よりも、社長の方が給料が多いのか。 そうした「会社」を「会社」たらしめている輪郭が、よく分かるんですよね。 こうしたことが、第一章に書かれています。 わたしは社内研修を担当しているので、第四章以降の「サイボウズでやってきた実験」に関心があったのですが、この「会社」とは?の章の方が興味深く読めました。 ドキリとしたのは、「カイシャのため」にがんばってますという人への警告です。 “あなたが働いているのはカイシャのためじゃなくて、このカイシャの代表の

『言葉ダイエット』刊行記念 橋口幸生×田中泰延トークイベント #195

「僕からこの話をするとは思ってませんでした。“仮想通貨”についてです」 ホント、ま・さ・か!でした。 ついに橋口さんまでも仮想通貨の世界に足を踏み入れてしまった!? 2020年1月20日、おしゃれの街・代官山にある蔦屋書店にて、トークイベントが開催されました。橋口幸生×田中泰延というコピーライターおふたりによる“言葉”談義。 橋口さんの新著『言葉ダイエット』発売を記念したトークイベントは、予想通り、笑い笑い笑いの連続で、写真を撮るのを忘れました……。でも内容はバッチリなんとなくふんわりと覚えてます! というわけで、今日はトークイベントの様子をお伝えします。 目次: 『言葉ダイエット』とは……の前段 『言葉ダイエット』とは……の前に 『言葉ダイエット』とは……のプリクエル 『言葉ダイエット』とは、言葉をダイエットすること まとめ 『言葉ダイエット』とは……の前段 「今日は仮想通貨の話はいたしません。骨伝導の話もありません。言葉のダイエットについてお話しします」 客席からの期待と不安のまなざしを受けて、ひろのぶさんが厳かに宣言されました。そうです。今日のイベントのメインテーマ。一番大事なもの。これだけ覚えて帰ればいい。 橋口さんが2019年12月に上梓された『言葉ダイエット』です。 ☆☆☆☆☆ 『言葉ダイエット』 https://amzn.to/3fY5qtN ☆☆☆☆☆ 田中さんの本『読みたいことを、書けばいい。』は、15万部を超えるベストセラーになっています。 ☆☆☆☆☆ 『読みたいことを、書けばいい。』 https://amzn.to/34WnfmE ☆☆☆☆☆ わたしたちが毎日、書いたりしゃべったりして操っているつもりの“言葉”。そのプロであるコピーライターのおふたりです。さぞかしすんごいお話が聞けると期待が高まります。 最初の話題は、 「さえりさん」から返事が来ない件 についてでした。 「さえりさん」とは、作家の 夏生さえりさん のことです。 橋口さんとひろのぶさん、そしてさえりさんは、昨年実施されたスカパー!のコピー募集で審査員を務められているのです。 #スカパーコピー書いてみた 応募総1万超の中から、受賞コピーが決まりました!受賞者の皆さま、おめでとうございます。ツイートしていただいた全ての方、ありがとうございました!受賞コピーは、みんなで作ったスカ

わたしを悩ませる“センス”の正体 『センスは知識からはじまる』 #183

「考える→アイデアを出す→説明する→書いてみる」までいくと、自ずと感じるのが「センス」の有無です。こうして毎日noteを更新しながら、心から実感するのです。 わたし、ホントにセンスないわー。才能ないわー。 こんなにもわたしを悩ませる「センス」とは何なのか。 「くまモン」のアートディレクターである水野学さんは、著書『センスは知識からはじまる』の中で、「センスは生まれついたものではなく、あらゆる分野の知識を蓄積すること」と語っています。 ☆☆☆☆☆ 『センスは知識からはじまる』 (画像リンクです) ☆☆☆☆☆ 本で語られている「センス」とは。 “「センスのよさ」とは、数値化できない、事象のよし悪しを判断し、最適化する能力” 「センス」が「能力」ということは、誰でも磨いて伸ばすことができるはずです。では、どうするか。水野さんは「普通」を知ることが大切としています。 「普通」を知るためには、「いいもの」と「悪いもの」の両方を知る必要がありますよね。その真ん中が分かることが第一段階。 普通を知り、その能力を向上させるためには、観察と几帳面さを維持することが大事とのことです。 効率よく知識を集め、センスをよくしたいなら、これ。 王道を知る ↓ いま流行しているものを知る ↓ 「共通項」や「一定のルール」を探る なぜこれだけ知識にこだわるのかというと、知識があれば、より自由に発想できるからです。 知識を「紙」、センスを「絵」にたとえ、知識があるということはそれだけ広い大きな「紙」を使える。だから自由な「絵」を描くことができるのだとしています。これはデザイン業界だけでなく、どんな仕事にも通じる考え方だと思います。 センスとは「知識の集積」だから。 本でこのくだりを読んでいて「あれ?」と思いました。ジェームス W.ヤングの『アイデアのつくり方』には、 アイデアとは既存の要素の新しい組み合わせである。組み合わせるための情報をたくさん集めよ。 とあった! はい、というわけで、「考える→アイデアを出す→説明する→書いてみる→センスを磨く」は、見事に円環の中にあることが分かりました。笑 「センスがないから分からない、できない」は、言い訳でしかない。分からないのは、センスを磨く努力をしていないから、と水野さんは言っています。キビシー。 でも、これが真実で現実です。 企画の仕事をしている、仕事力

はじめに読むべき決定版 『言葉ダイエット』 #182

「考える→アイデアを出す→説明する」の本に続いて、いよいよ「書き方」です。近年、文章指南の本がかなりの数、出版されています。以前は文法に着目した「文章読本」が多かったように思いますが、最近では「読みやすさ」「伝わりやすさ」を重視したものが増えたなと感じます。それだけ書くことに悩む人が多いのでしょう。 「書き方」指南の本が増えたことで、混同されているのでは?と感じる言葉が、「文章」と「文書」です。 文:一組の主語と述語とを含む、言語表現の一単位。 文章:文よりも大きい言語単位で、通常は複数の文から構成される。 文書:文字や記号を用いて、人の意思を書き表したもの。 『広辞苑』より 「文」とは、マル(句点)を打って区切りをつけるまで、と考えると分かりやすいかもしれません。 「・・・・・。」←こういうのですね。 「文」を複数集めたものが「文章」、そして「文章」を集めて意思を表したものが「文書」です。 なので、「バズる文章」という言葉には、わたしは違和感を持ちます。バズっているツイートなどをみると、誤字や文法的な間違いがあったりしますが、「内容=文書」を見て、おもしろいと思うから「いいね」を押すのでは?と思うからです。 文章力 <<< ネタ ではないか、と感じています。 「文書」としての記事やツイートを磨きたい!と考える方は、アイデアや企画の本を読むことをおすすめします。そうではなく、普段書いている「文章」をなんとかしたい!という方には、橋口幸生さんの『言葉ダイエット メール、企画書、就職活動が変わる最強の文章術』がおすすめです。 ☆☆☆☆☆ 『言葉ダイエット』 https://amzn.to/3fY5qtN ☆☆☆☆☆ 西島さん、中村さんと同じく、橋口さんもコピーライターでいらっしゃいます。やっぱりコピーライターという人々は、「考える」速度も深度も違うんですよ。知らんけど。考えてみたら、ジェームス W.ヤングから始まって博・電・博・電になってた。偶然です。 この本のいいところは、文章を書くにあたって最低限必要なことがとてもコンパクトにまとまっていることです。ここに書かれていることをきちんと守っていけば、逆に、分かりにくい文章は書けなくなるはず、です。 “<言葉ダイエットの極意> ・一文一意 ・一文は60文字以内 ・抽象論禁止 ・繰り返し禁止 ・ムダな敬語禁止 ・表記統一 ・

「#1000日チャレンジ」1日目 山田ズーニー『あなたの話はなぜ「通じない」のか』 #1

今日から「#1000日チャレンジ」を始めることにしました。 「#1000日チャレンジ」とは、さとなおさんのアニサキス・アレルギーとの闘いを楽しい活動にしようという取り組みのこと。チャレンジの内容は参加者それぞれ。より詳しく知りたい方は、さとなおさんのこちらの記事を参考にしてください。 1000日チャレンジ、始めます|さとなお(佐藤尚之)|note   チャレンジの成就を願う気持ちと、せっかくだからわたしも何かやってみようと思い、こちらのふたつにチャレンジすることに。 キツイこと:本か映画を1000本紹介する できそうなこと:毎日一万歩歩く 「負け続け」から「勝ち」にいく戦略へ。 さとなおさんの #1000日チャレンジ の成就を願って、わたしも始めます! キツイこと:書評1000本書く できそうなこと:毎日一万歩歩く スタート日は2019年7月14日。 2022年4月8日まで。 https://t.co/U4typ28Wh8 — mame3@韓国映画ファン (@yymame33) July 14, 2019 というわけで、初日の書評は山田ズーニーさんの『あなたの話はなぜ「通じない」のか』です。 言いたいことがうまくまとめられない。話が回りくどくいと言われる。「結論から言え」と言われて混乱する。 そんな経験を持つ人は多いと思う。この本は、そんな悩みを持つ人はもちろん、周囲に話しが分かりにくい人がいると感じている人におすすめだ。 ☆☆☆☆☆ 『あなたの話はなぜ「通じない」のか』 (画像リンクです) ☆☆☆☆☆ わたしはいま、校閲の仕事をしながら社内研修を担当している。講師をすることもある。 まだ数年にしかならないが、身にしみて感じていることがある。 人は人の話を聞かない。 難易度や理解力もあるだろう。でも、それ以上に、講師とメンバーの間には薄い幕がかかっているような気がしていた。ちなみに、ほとんどの講義は社内の人間に講師を務めてもらっている。 マジメな話が続くと寝てしまう。そりゃそうだ。では、とエンタメ要素を増やしてみると、「楽しかった」という感想は増えるが、3日も経てば忘れてしまう。 この間、さまざまな本を読んだり、セミナーに参加したりして、「講師の話し方」に注目してきた。 そんな中で、山田ズーニーさんの『あなたの話はなぜ「通じない」のか』が一番分かりやすくまとまっ