お月さまにいたのは、お餅をついているウサギじゃなかった。 水不足で危機に瀕した近未来の地球。未知の「サンプル」を回収するというミッションを受けて、選ばれし者たちが向かったのは、月にある廃墟と化した研究基地です。 そこで隊員たちを待ち受けていたものとは……。 Netflixから5億ドルの出資を受けて製作されたドラマ「静かなる海」。原作は2014年にチェ・ハンヨンが監督した、同名の短編映画で、SFサスペンスの意欲作です。 ☆☆☆☆☆ ドラマ「静かなる海」 https://www.netflix.com/title/81098012 ☆☆☆☆☆ <あらすじ> 大干ばつによって砂漠化した地球。宇宙生物学者のソン・ジアンは、政府から月面にあるパレ基地でのミッションに参加するよう、依頼を受ける。5年前、放射能事故により廃棄された基地で、ジアンの姉であるソン・ウォンギョンが亡くなっていた。隊長ハン・ユンジェに止められるも、参加を決めたジアン。しかし、月面着陸の直前に、シャトルにトラブルが発生し……。 ペ・ドゥナとコン・ユという、K-ゾンビの名作を生み出したふたりを主演に迎え、チョン・ウソンがプロデューサー、脚本が「母なる証明」のパク・ウンギョと、前情報はかなり期待の高まるものでした。 もう、とにかく映像が美しい! そして、出だしの緊迫感と深まる謎には、ググンと引き込まれていきました。ただ、せっかく舞台が「月」なんだから、そこをもっと活かしてほしかったなーというのが、正直な感想です。 産業スパイの暗躍、家族との約束、家族との確執。舞台がどこであれ、「ザ・韓国ドラマ」なんですよね。良くも悪くも。 特に、主演のふたりがふたりなだけに、何かある度に、「来るぞー来るぞー」と身構えてしまう。 「何が」来るのかは見てのお楽しみとして、公開3日でNetflixTVショー部門3位にランキングされた本作。VFX技術の高さを感じさせるビジュアルで、月の荒涼感が伝わってきました。 コン・ユは、いつも何かを守ってきた役だったので、隊長役もホントに安心感があります。突発事態に対して、文句しか言わない人、ネガティブな人、狂信的に任務に邁進する人と、さまざまな反応を見せる隊員たちをまとめあげています。 (画像はNetflixより) 水資源がなくなり、階級によって水の配給量も変わるという世界設定は、近い将来を予感