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『ココ・シャネルの言葉』#902

「醜さは許せるけどだらしなさは許せない」 リモートワークで通勤がなくなって以来、ぷーくぷーくとフワフワしてきた自分に一番グサリときたココ・シャネルの言葉です。 本名はガブリエル・シャネル。「ココ」という愛称で知られ、窮屈なコルセットから女性を解放し、古い決まり事を切り捨て、新しい時代を切り開いていきました。 その信念に裏打ちされた言葉が、『ココ・シャネルの言葉』としてまとめられています。 ☆☆☆☆☆ 『ココ・シャネルの言葉』 (画像リンクです) ☆☆☆☆☆ CHAPTER 1:美 醜さは許せるけど、だらしなさは絶対許せない CHAPTER 2:恋愛 私の愛する人は、私の意欲にけっして水をさしたりしない人だった。 CHAPTER 3:ファッション シンプルで、着心地が良く、無駄がない。 CHAPTER 4:仕事 誰も私に何ひとつ教えてくれなかった。 CHAPTER 5:人生 私はこうなりたいと思い、その道を選び、そしてその想いを遂げた。 目次の言葉を並べただけで、熱くて強い姿が浮かびますね。 ココ・シャネルは、貧しい子ども時代を経て、富と成功を手に入れますが、お仕着せの枠組みや常識を嫌い、常に挑戦していたことが分かります。 驚いたのが、一度引退した後、復帰した年齢。なんと、71歳でモードの世界に戻ってきたんですね。 わたし、まだまだやれるわ……と思った……。 他にも、怒りや自由を求める姿勢などから、持っていた「強い女」のイメージ。だけど、男性と対等であることとは「男性のようになること」とイコールではない。愛されてこそなんぼと語るシャネル。 こうした哲学に、しなやかな強さを感じました。 2021年も最後の一日になりました。 大晦日にはいつも一年の振り返りをしています。今年一年、どんなことにチャレンジをして、どんなことを積み残したのか。ひとつひとつ石を積み上げるように歩いてきた一年。 ココ・シャネルは人生について、こう語っています。 「私は、私の人生を作り上げた。なぜなら、私の人生が気に入らなかったからだ」 自分の気に入るように、人生をクリエイトできるのは、自分だけ。 さぁ、2022年を迎える準備をしなきゃ!

『新庄のやり方50―人生・仕事に役立つ「SHINJO流」哲学』#901

来年のプロ野球は、かなりおもしろくなるのではないかと期待しています。 なんてったって、ショーマンの新庄さんが帰ってきたんだから! 監督就任会見で放った「ビッグボス」という呼び名。当然、流行語大賞に入っているんだと思ったら、ノミネート発表の日と重なっていたので対象外だったのだそう。 流行語大賞「ビッグボス」なし 時間的に間に合わず…選考委員やくみつる氏「繰り越しで判断いただければ」   選手時代から、その言動で注目を集めていた「ビッグボス」。やっぱり「持ってる」人は、なんか違うのかも。 そんな「ビッグボス」の野球人生の記録集『新庄のやり方50―人生・仕事に役立つ「SHINJO流」哲学』を読んでみました。 ☆☆☆☆☆ 『新庄のやり方50―人生・仕事に役立つ「SHINJO流」哲学』 (画像リンクです) ☆☆☆☆☆ 「目立ってもいいが、嫌われてはいけない」 「初心にこだわり、形にして持ち続ける」 「本音で生きると真実が見える」 などなど、新庄選手のスタンスは、ビジネスの世界でもマネしたくなるようなものがたくさんありました。 新庄選手というと、目立ちたがりの野球バカというイメージもあったように思います。上下関係の厳しい体育会系のど真ん中を、信念を持って歩くには実力も必要。 やるときはやる。そして、どこまでもポジティブに慣習を打ち破っていく姿は、テレビで見る以上のものがありました。 以前、友人から聞いた話があります。 投手以外の選手で重視されるのは守備・バッティング・走塁の力で、イチロー選手はどれも一級レベル。だから大リーグでも活躍できたわけです。では、新庄選手はというと、守備が特級レベルに高い。そこを見込まれた、という話でした。 仕事においても、あれもこれもと、いろんなスキルが求められるけど、どれもA級にするのは大変なこと。どれかひとつでも飛び抜けていれば、そこに活路があるのかもしれません。 やさしくて、ポジティブで、野球に対して純粋な「ビッグボス」。 学ぶところの多い話が満載でした。

『どうしても欲しい! 美術品蒐集家たちの執念とあやまちに関する研究』#862

オタクの欲は黒くて、深い。 権力を手にした人たちの虚栄心を満足させてきた美術品。普通にほしがり、普通に手に入れるなら、なんの問題もないのですけれど。 古代ローマの時代から、美術品のために盗む、嘘をつく、手を加えるといった行為はあったのだそう。 『どうしても欲しい!』に登場するコレクターたちの、愛すべきワガママさに、オタクの熱意は時代を超えて変わらないのだなと感じました。 ☆☆☆☆☆ 『どうしても欲しい! 美術品蒐集家たちの執念とあやまちに関する研究』 (画像リンクです) ☆☆☆☆☆ 美術品には、古代から多くのコレクターが存在しています。なんていうか、お上品で“ちゃんとした”人たちばかりなら、ギィ・リブのような天才贋作作家は生まれなかったのでしょうね。 『ピカソになりきった男』#861   西岡文彦さんの『ビジネス戦略から読む美術史』には、ナポレオンやヒトラーのように権力をつかんだ者は、軍装や建築物をローマ帝国風の威圧的デザインで統一していたことが指摘されています。 『ビジネス戦略から読む美術史』#859   でも、陰気な皇帝として知られるローマのティベリウスは、身の回りをせっせとギリシャの美術品で固めたそうなので、ローマに続く道はギリシャに続いているのかも。 “権力や権威を夢見る者にとっては、やはりすべての道はローマに通じているらしい。” 『ビジネス戦略から読む美術史』より ガキか!?と言いたくなるようなコレクターたちのワガママ振り。それを叶える業者たちの奮闘振り。 現代でいうなら、上司やクライアントの無茶振りに耐えながら悪態をつくようなもんでしょうか。テキトーなことを言って丸め込む業者たちは、やり手の営業マンのようです。 まったく知らなかった美術コレクターの“裏側”の世界。クスクスと呆れる展開ですよ。

『ビジネス戦略から読む美術史』#859

西岡文彦さんの『ビジネス戦略から読む美術史』を読んで、もう一度、歴史を勉強し直したいなーとワクワクが止まりません。 歴史って、ホントにおもしろいなと思いませんか? プラトンの『国家』には「最近の若者は……」という言葉があって、ジェネレーションギャップは二千年前からあったんだなーと、なんだか笑ってしまいます。わたしごときが悩んでもムダムダと思えるような感じで。 『ビジネス戦略から読む美術史』では、技術の進化と社会の変化が、美術という芸術のあり方も変えていったことが、よく分かります。 ☆☆☆☆☆ 『ビジネス戦略から読む美術史』 (画像リンクです) ☆☆☆☆☆ 西洋美術は、聖書の物語をビジュアルで伝える役割を担っていました。そのため、描かれる場所は、教会や宮殿でした。フレスコという技法で壁や天井に直接描く「不動産絵画」だったんですね。 そこから油彩の技術が発達し、キャンバスに描かれるようになり「動産絵画」へと変化。 これは、現代でいえば、オフィスに出勤しなければ仕事ができない人と、リモートワークで十分仕事ができちゃう人との、境遇の差とのこと。 そんな「へー!」がいっぱいです。 印象派の販売戦略を立てた人物として紹介されているポール・デュラン=リュエルは、原田マハさんの小説『ジヴェルニーの食卓』にも登場します。『たゆたえども沈まず』のドイツ系ユダヤ人の画商とも接点があったのだそう。 (画像リンクです) (画像リンクです) こうしたひとつひとつの歴史の流れが、一大絵巻のように繰り広げられていくので、飽きずに一気に読むことができます。 あのダ・ビンチが、「ちくしょー! オレだって自宅で仕事してー!」と思っていたかもしれないと想像するだけで楽しい。 カシコク生きるヒントは、歴史の中にありそうですね。

『戦国ベンチャーズ』#858

年功序列の弊害や、45歳定年制が話題になるなど、日本の「働き方」は大きく変わろうとしています。 「働かないおじさん」と呼ばれる世代としては、ニュースを見るたび暗い気分になるのですよね。 そんなにジャマですか!? そう言いたくなってしまうところもあるけれど。 歴史上、ゼロからのし上がった名将で「年功序列」の人事制度を採用していた人物はいなかったと聞くと、ああ、やっぱりという気もします。 人事と戦略のプロである北野唯我さんの『戦国ベンチャーズ』は、歴代の戦国武将の特性を人事の視点で分析した本です。 ☆☆☆☆☆ 『戦国ベンチャーズ』 (画像リンクです) ☆☆☆☆☆ わたしは高校時代に歴史が好きになりました。これは、おもしろい授業をしてくれた高校2年生の先生のおかげです。 通常の、年表丸覚え式のテストもあるのですが、これに加えてレポートの宿題が出るんです。人物について、事件について、風俗についてなどなど、自分の好きなテーマで書くことができて、先生に「おもしろいね」と言ってもらえれば加算されます。 だから、テストの結果が「100点満点」じゃなくなってしまう。 たしか「曹操にはなぜ友だちがいないのか」みたいなテーマでレポートを書いて、10点の加点をもらいました。授業は日本史だったんですけどね……。 いま思えば、先生はどうやって成績を付けていたんだろうと心配になってきました。 閑話休題。 北野さんはというと、一番嫌いな科目が「歴史」で、この本をつくるにあたって、歴史を研究したのだそう。 徳川家康や織田信長といった戦国時代の武将たちをはじめ、『三国志』の曹操らを、“人事”目線で分析。その能力の特徴から、強みの活かし方と、パートナーとなる人物の組み合わせが紹介されています。 ・創造性系 ・再現性系 ・共感性系 という区分けは、『天才を殺す凡人 職場の人間関係に悩む、すべての人へ』と合わせて読むと、より理解できるかも。 (画像リンクです) 『戦国ベンチャーズ』はKindle版しかありません。紙の本に慣れている人にはとっつきにくいかもしれませんが、これなら読めますよ!! だって、おもしろいんだもん!! 自分のキャリアを棚おろししたい人、マネジメントをしている方におすすめです。 人事戦略があたった時ほど、人と働く醍醐味を感じられることはないと思います。「働かないおばさん」と呼ばれる日まで。

『『キングダム』で学ぶ最強のコミュニケーション力』 #850

「お前は何者だ?」 「天下の大将軍になる男だ」 こんな答えを聞いて、「かっこいー!」と思うか、「アホか!?」と思うかで、その後の付き合いは変わってしまいそうですよね。 原泰久さんの人気マンガ『キングダム』の主人公・信の言葉を実際に聞いたとしたら、どれだけのオトナが信じるでしょう? わたしは3年前にコーチングの資格をとり、いまもう一度勉強しなおしています。その過程で、「あぁ、そうだった」と思い出したのが、「相手をジャッジしない」ということでした。 ボロボロの服を着た小僧が「天下の大将軍になる」と語っても、まともに相手にしないのは、相手をジャッジしているからです。 『キングダム』は、コーチング視点で読んでも学びが多いとのことで、今日は、馬場啓介さんの『『キングダム』で学ぶ最強のコミュニケーション力』 を紹介します。 ☆☆☆☆☆ 『『キングダム』で学ぶ最強のコミュニケーション力』 (画像リンクです) ☆☆☆☆☆ 馬場啓介さんは、コーチングを提供し、コーチの育成にも取り組んでおられる方です。 公式サイト https://babakeisuke.com/ 馬場さんが『キングダム』の中で最高のコーチと呼ぶのは、王騎将軍の副将を務める「騰」です。理由は、自己認識力に長けているから。 マンガ×コミュニケーション論ということで、とても読みやすいのですが、わたし自身は『キングダム』を3巻くらいまで読んで休憩中だった……。「騰」が登場するところまでいっておらず、他に紹介されている登場人物も、まだ会ってない人が多かったんですよね。でも重要なシーンは、マンガそのものが掲載されています。なので、知らないシーンでもちゃんと話に付いていけました。 大将とNo.2のめっちゃ胸アツな台詞を、コーチング視点で距離感、信頼関係などから読み解くという、1冊で二度おいしい本です。 リーダー職やマネジメントをしている方には、特におすすめ。 ちなみに、うちの会社のライブラリーには、『キングダム』を全巻そろえております。営業とバックオフィス、男性と女性で分断されがちなので、共通言語を作ろうと考えたんですよね。 置いてみたら、女性メンバーの方が熱心に読んでいます。馬場さんの本を読んで、ますますマンガを読みたくなりました。今週はオフィスに行かなくちゃ!

『進む、書籍PR! たくさんの人に読んでほしい本があります』#832

次はどんな本を読もうかな。 そう思った時、わたしは新聞の書評欄や、SNSで本を探すことが多いです。「王様のブランチ」で、編集者の松田哲夫さんがガイドしてくれる「松田チョイス」のコーナーも楽しみに見ていました。 こうした新聞や雑誌、テレビで紹介してもらうために活動しているのが、PRパーソン。『進む、書籍PR! たくさんの人に読んでほしい本があります』の著者である奥村知花さんも、新刊書籍のパブリシティを専門にされている方です。 本との出会い、読んでほしい本が世の中に広がっていく様子に、興奮してしまうお仕事エッセイです。 ☆☆☆☆☆ 『進む、書籍PR! たくさんの人に読んでほしい本があります』 (画像リンクです) ☆☆☆☆☆ 『日本の統計2021』 によると、2019年に、日本では71,903冊の書籍が発売されました。1日に約196冊もの本が世に出ている計算になります。 (出典:総務省統計局『日本の統計2021』 https://www.stat.go.jp/data/nihon/index1.html ) そんな数、全部読めない!!! たぶん、タイトルを追うだけでも大変なことになってしまいます。 そこで奥村さんのような書籍のパブリシティをしている方がガイド役となり、テレビ局などに企画として売り込むわけです。 テレビで紹介されることや、書評欄に取り上げられる効果は絶大だそう。 盛岡にある「さわや書店」で名物店長と呼ばれていた伊藤清彦さんは、乙武洋匡さんの『五体不満足』を読み、テレビで紹介されるタイミングを逆算し、在庫を確保したそうです。 当時、乙武さんは大学生だったので、試験期間が明けた頃に動くだろう……と推理。前もってあちこちに手配をしておいたのだとか。 お客様のために“名物”店長が取り組んできたこと 『盛岡さわや書店奮戦記』 #532   一冊の本を世に出すために必要なのは、著者自身の努力だけではありません。編集者、出版社の営業、書店員、そしてパブリシストたちが一丸となって取り組むんですね。 本への愛情と仕事への熱意に打たれました。 奥村さんは、自分の肩書きを「本しゃべりすと」としているそう。 いいな、この肩書き。

『世界「失敗」製品図鑑 「攻めた失敗」20例でわかる成功への近道』#828

失敗したくない。 できれば最高得点をとって「さすがだね!」って言われたい。 仕事とは、成果を積み上げていくものだから、どうしても失敗を避ける思考に陥りがちです。 でも、世の中には全力で勝負して、大金をかけ、壮大に失敗した事例だってたくさんあります。 『世界「失敗」製品図鑑』は、そんな世界のトップ企業に集う、最高頭脳による「全力の失敗」をケーススタディとして集めた本です。 こんなトップレベルでも、笑っちゃうくらいの製品を生み出してるんだもん。自分の失敗なんて小さいもんだと、心が軽くなるかも!? ☆☆☆☆☆ 『世界「失敗」製品図鑑 「攻めた失敗」20例でわかる成功への近道』 (画像リンクです) ☆☆☆☆☆ いつでもすぐにAmazonでお買い物できるスマホ「ファイアフォン」。 いつでもすぐにFacebookにつながれる「フェイスブック ホーム」。 などなど、それって、誰得!?といいたくなるような製品が、大真面目に検討され、大々的に発表され、そして消えていった過程が紹介されています。 同じテーマの本で、デザイナーの佐藤オオキさんによる『佐藤オオキのボツ本』という本を読んだことがありました。 こちらはお仕事版「しくじり先生」といえそうな、“渾身の”ボツ案集です。 失敗にこそ成功の種がある 『佐藤オオキのボツ本』 #239   大きな業績を残している“強い”企業や人に通じているのが、失敗から学ぶリカバリー力かもしれません。 たぶん日本ではまだフィードバックの技術が発達していないので、 ダメ出しされた → 人格否定 と受け止めてしまう人も多いように思います。でも、仕事をする上で大切なのは、相手からのフィードバックではないでしょうか。 BtoC企業なら、それは消費者からの反応になるし、まだまだ新人レイヤーの人なら、一緒に仕事をしたチームの方からの褒め言葉、もしくはお叱りの言葉になるかもしれません。 『世界「失敗」製品図鑑』で紹介されている、コカ・コーラやグーグルなどの世界トップの企業家たちは、フィードバックに率直に耳を傾け、そこから学び、そして新しいチャレンジをした。 だから、いまがあるのだといえます。 「ミスターヌードル」と呼ばれた安藤百福さんは、世界初のインスタントラーメンを発明するまで、新築の家の床の間を吹き飛ばすほどの失敗をしたそう。 それでも、「失敗するとすぐに仕事を投げ

『ルワンダでタイ料理屋をひらく』#827

万事に大雑把で、計画性なんてナッシングで無鉄砲なわたしですが。 唐渡千紗さんのぶっ飛んだチャレンジには驚きました!!! 唐渡さんのエッセイ『ルワンダでタイ料理屋をひらく』は、タイトルどおり、ルワンダでタイ料理屋「ASIAN KITCHEN」を開業した際の、奮闘記です。 「段取り」とか、「気遣い」といった概念がない国の人々をマネジメントするわけなんですが、やらかすことが斜め上すぎて何度も笑ってしまいました。 ☆☆☆☆☆ 『ルワンダでタイ料理屋をひらく』 (画像リンクです) ☆☆☆☆☆ ルワンダは、アフリカ大陸の中央部に位置する内陸の国です。四国を一回り大きくしたくらいの国土で、丘が多いのだそう。 わたしが知っていることなんて、1994年のルワンダ虐殺を題材にした映画「ホテル・ルワンダ」くらいでした。 (画像リンクです) この映画はホテルの支配人が、民族の垣根を越えて避難者を受け入れるヒーロー物語なのですけど、映画のことを聞いたレストランスタッフのひとりは、 「あんなの嘘っぱちだから」 とバッサリ。 元ストリート・チルドレンだった人、シングルマザー、家族を失った人などなど、唐渡さんのレストランで働くスタッフたちも、虐殺を生き延びたものの、心に傷を負った人たちでした。 そんな歴史があるせいか、そもそもちゃんとした教育を受けていない人もいて、大学を出ても職がないくらい「仕事」が少ない国。英語ができる人ならナニー(子どものお守り)やレストランでの仕事に就くことができるようです。 旅行で訪れたルワンダに魅せられ、移住を決めた唐渡さん。友人に「タイ料理屋とかいいんじゃない?」と言われ、タイ料理屋さんをひらくことにします。 でも、レストラン経営なんてしたこともない、ただの会社員で、タイ料理なんて作ったこともない。 なのに、「Let's go~!」ばりに、5歳の息子さんと向かってしまうんです。 こんな大胆な行動力を持ち合わせていない、わたしって小心者だな……と思わせられることしきりです。 ルワンダでは、工事のお金をだまし取られたり、外国人料金をふっかけられたり。約束の時間は守られず、言うこともコロコロ変わる。 なんといっても、休日が、前日に大統領からラジオで知らされるようなところなんです!! ちょっとうらやましい……。 日本の“きっちり”した文化で生活していると、ある意味、「

『7.5グラムの奇跡』#825

「潰しのきく人生を選んでしまうと、一生なんにもなれなくなる気がしたんです」 器用になんでも習得できる人なら、キャリアについての選択肢は多いはず。でも、不器用さんにとっては、どの道を選んでも茨の道に思えてしまいます。 すべてに不器用で、口下手な“野宮恭一”が唯一好きなことは、人の“瞳”をのぞくことでした。 自分の好きを信じて、視能訓練士となり、町の眼科医院で働く青年を描いた小説が、砥上裕將さんの『7.5グラムの奇跡』です。 ☆☆☆☆☆ 『7.5グラムの奇跡』 (画像リンクです) ☆☆☆☆☆ 眼科に行ったことがある方なら分かるかもしれません。お医者さんの診察の前に、いろいろと検査をしますよね。眼圧を測ったり(ピュッと空気が出てくるやつ)、視力を測ったり。こうした検査をしてくれる方が、視能訓練士です。 視力検査ではぜんぜん見えないはずなのに、野宮の名札は見える小学生。失明の危機にあるのに、カラーコンタクトレンズが止められない女性。 いろいろな症状を抱えて病院を訪れる患者たちは、年齢も、性別も、病気もさまざま。そのため、不器用な野宮はアワアワしながら一所懸命でした。 ちょっと怖いなと思ったのは「緑内障」の話でした。 「緑内障」とは、視神経に障害が起こり、視野(見える範囲)が狭くなる病気です。 実は、わたしは「緑内障」ではないかと疑われたことがありました。 校正の仕事を始めてからしばらくして、とつぜん視力がガクンと落ちたんです。わたしの視力は、小学生の時から両眼とも「2.0」。都会ではあまり役に立たない視力が自慢でした。 なのに、駅のホームに立っていて、次の電車の発車時刻を表示した看板の文字が見えない。これが、生まれて初めての「見えない」体験でした。 あまりにも急激に視力が落ちていったので、夫が「病院に行きなよ!!!」と心配してくれたのでした。この時は、単に目を使いすぎて疲れていただけだったんですけど。 「緑内障」は、発症すると完治はせず、目薬をさして眼圧が上がらないようにコントロールするくらいしか治療法がないそう。これが、小説の中でもトリック(?)になっています。 閑話休題。 砥上裕將さん『線は、僕を描く』でデビュー。第59回メフィスト賞受賞作です。傷ついた少年が、水墨画と出会って自分を取り戻していく物語で、ウルウルさせられました。 夢中がつくる自分の形 『線は、僕を描く』

『新聞記者、本屋になる』#816

落合さんが「ラーメン屋さん」じゃなくてよかった。 初めてお目にかかってから、実は何度かそう思ったことがありました。 たとえば、 「赤味噌ラーメンに、ニンニクとニラと味玉入れてください」 なんてオーダーをしちゃったら、 「僕が精魂込めて作り上げたスープは塩ラーメンの方がおいしいんだけど、ニンニクなんか入れたらぶち壊しなんだけど、それでもそのオーダーにします?」 と、穏やかに“真顔で”返されそう……。あくまで妄想です。 でも、もし「ラーメン屋さん」だったら、「こだわりの強いガンコなおやっさん」になっていたんではないかと思ってしまう。 落合博さんの本当の姿は、東京の浅草近くにある本屋「Readin' Writin' BOOK STORE」の店長さんです。 「Readin' Writin' BOOK STORE」 http://readinwritin.net/ 元新聞記者で、長くスポーツ欄を担当されていたそう。定年前の58歳で退職、本屋を開業されました。 『新聞記者、本屋になる』には、新聞記者時代のことと、本屋の開業準備から現在までの日々が綴られています。 ☆☆☆☆☆ 『新聞記者、本屋になる』 (画像リンクです) ☆☆☆☆☆ 定年後の生活について、「人生100年時代」の生き方について、考えたことがある人は多いと思います。 10年くらい前、わたしの夫“でぶりん”が唐突に言い出したことがありました。 「早期退職して、居酒屋をやりたい」 早期退職でも、契約社員でも、自分の人生なんだから好きにしたらいいやん、がわたしの意見でしたが、居酒屋は勘弁してほしい。 居酒屋がイヤなのではなく、夫の“でぶりん”は、およそ居酒屋の仕事で必要なことが何もできないからです。 料理はまったくできない。 皿洗いは人生で3回くらいしかしたことない。 利き酒ができるわけでもない。 無愛想でコミュニケーション力ゼロなので接客もムリ。 経理はわたしの方が得意。 けっきょく、居酒屋をやったらすべてをわたしが背負い込むことになるのが目に見えている。だから、上に挙げたもののふたつ以上できるようになったら、その時、もう一度考えましょうと言って終わりました。 こんな風に、「なにかをやりたい」と思っても、道のりを具体化してみると、めんどくさいことがいっぱい待ち構えています。現段階では分から

『AI分析でわかった トップ5%リーダーの習慣』#804

真にトップのリーダーは、「忙しい」と口にしない! 優秀な成果を残すトップ5%社員に共通する特徴があるように、トップ5%のリーダーにも特徴がありました。 企業の「稼ぎ方改革」を支援している越川慎司さんが、トップ5%のリーダーの行動を調査。その結果、 ・歩くスピードがゆっくりで ・内省タイムを自ら設定し ・散歩やランニングで自律神経を整える こういう方が多いのだそう。 『AI分析でわかった トップ5%リーダーの習慣』は、昨日ご紹介した 『AI分析でわかった トップ5%社員の習慣』 の続編です。今回はコロナ禍以降の変化を踏まえて、企業のリーダーを対象に調査されています。 ☆☆☆☆☆ 『AI分析でわかった トップ5%リーダーの習慣』 (画像リンクです) ☆☆☆☆☆ おもしろいのは、トップ5%リーダーの特徴を抽出して、別のチームで再現テストをしていること。特に、オンライン会議の工夫ポイントは参考になりました。 トップ5%リーダーは、「マイク」に投資している人が多いんです。逆に、普通のリーダーでは、「カメラ」に投資する人の方が多い。 理由は、「伝えること」ではなく、「伝わること」に重点をおいているから。 自分のカメラ映りよりも、言葉が伝わるように音の良いものを選んでいるんですね。 そして、定例会議の冒頭2分を雑談タイムにすることで場があたたまり、発言が活発になりつつ、時間内に終わる確率も上がる。 指示代名詞を使わずに、形容詞や副詞を多く使って、相手がイメージできるように話す。 といった特徴もみえてきました。 管理職の方が伝えることの量も質もボリューミーになりそうですが、会議での発言時間は、トップ5%リーダーの方が短いことも明らかになっています。 リーダーになるということは、メンバー時代に相当の成果を残した方ですよね。立場が変わっても、さらなる成果を上げられる人って、さぞかしドライで目標管理に厳しいんでは……と思っていたけれど。 本から感じられるトップ5%リーダーは、血の通ったコミュニケーションを大切にする、そのために自分ができることを考え抜く姿でした。 オンライン会議にも慣れてきたいまは特に、どうすれば「感情の共有」ができるのか悩む人もいるかもしれません。 トップ5%リーダーが実施する1on1では、うなずきにも特徴がありました。 ・1回のうなずきは、平均1.1秒(ゆっくり) ・

『AI分析でわかった トップ5%社員の習慣』#803

優秀な社員を観察してみたら、「効率よく成果を出す」共通点があった……! 越川慎司さんの『AI分析でわかった トップ5%社員の習慣』は、そうだろうなと思ってたけど、ホントにそうなんだ!という納得ポイントが満載でした。 ☆☆☆☆☆ 『AI分析でわかった トップ5%社員の習慣』 (画像リンクです) ☆☆☆☆☆ まず、調査対象のN数がすごい。クライアント企業25社の、 ・トップ5%社員:9000名 ・一般社員:9000名 合計1万8千人の会議やメール、資料を、定点カメラ・ICレコーダー・GPSを使って、AIで分析。 トップ5%社員と一般社員との差をあぶり出したという、ちょっとオソロシイ本なのです。 たとえば、資料編。 一般社員の方が、 ・ページ数が32%多い ・作成時間が20%長い と、せつない結果が出ています。 変なこだわりを持って作り込もうとしないことが大事なんでしょうね。 実際、「作業充実感のある仕事はなんですか?」という問いに対して、最多回答は「資料作成」だったそう。特にパワーポイントとエクセルには注意が必要なようです。 つい、夢中になってしまうから……。 この「資料作成」に対して、完成した時に満たされた気分になる一般社員は89%もいます。でも、トップ5%社員の73%は「No」と答えているんです。 作成した資料によって、“成果”が残せた時に、満たされた気分になるんだそう。 おお、意識の違いよ……。 フツーの、並盛りサイズの会社員にとっては、仕事のやり方を振り返るきっかけにできる本だと思います。そうだろうなと思っていたこと、こうした方がいいと聞いていたこと、ホントにそうだったと数字が教えてくれます。 目指すべきは、 働き方改革 <<< 儲け方改革(企業)・稼ぎ方改革(個人) とのこと。 「幸せを感じるのはいつ?」という質問への回答が、意識変革の必要性を示していました。 ・一般社員:土曜日の朝 → 解放感 ・トップ5%社員:金曜日の夜 → 達成感 今日は休日だけど、さて、わたしがいま感じているのはどっちだろう。明日の金曜日は達成感を感じられるかしら。

ドラマ「賢い医師生活」シーズン2 #802

ああああああ、大好きな人たちがついに!!!!! 新たな命が生まれ、今ある命が終わりを迎える病院という場所。患者たちとともに生きる5人の医師を描いた「賢い医師生活」は、シーズン2の12話すべてがNetflixで配信されました。 ☆☆☆☆☆ ドラマ「賢い医師生活」 https://www.netflix.com/title/81239224 ☆☆☆☆☆ シーズン1は、韓国でNetflix視聴率の年間1位に輝いています。 学生時代に思い描いた理想、生きてる? ドラマ「賢い医師生活」 #379   シーズン2は、意外にも1の続きとして始まり、第6話になって一気に時間が進む、という構成。人の命を扱う病院が舞台なので、命の重さ、医療の限界を感じることもあるのですが、同時に医師の人柄に、心すくわれる場面が少なくありません。 わたしが一番泣いてしまったのが第4話。 心臓移植のドナーを待つ母たちの明暗に、ウルウル。 突然の病気報告に、ハラハラ。 そして、いつもクールで、ちょっとイケズなジュンワンの配慮に、ついに涙腺が……。 ジュンワンはSNSが苦手なため、後輩のジェハクが使い方を教えてあげるんです。ある日、ひとりでコソコソやってるから、遠距離恋愛中の彼女になんか送ったのかなーと思うじゃないですか。 その後、いつもICUでひとりぼっちだった患者のもとを、多くの人が訪れるようになります。 実はジュンワンが、SNSで話相手を募集していたのでした。 こんなステキなSNSの使い方ってある!? ジュンワン先生だけでなく、この病院にはおよそ“争い”というものがないんですよね。韓国ドラマお得意の「愛憎劇」や「復讐劇」もない。なにより、人の温もりを感じられるドラマでした。 メインの5人は、ソウル大医学部出身の同級生、かつ、バンド仲間です。 ・イ・イクジュン(常に冗談を言っている肝胆膵外科医) ・チェ・ソンファ(“鬼神”と呼ばれる脳神経外科医) ・アン・ジョンウォン(“仏様”と呼ばれるクリスチャンの小児科医) ・キム・ジュンワン(いつもクールな胸部外科医) ・ヤン・ソッキョン(“クマ”が愛称の産婦人科医) それぞれに外来、手術、学会、レジデントの指導と忙しい中、恋をし、家族の問題を抱え、成長していきます。 シーズン2は2020年~2021年の話のはずなのですが、実はドラマに「描かれていないもの」がありま

『破天荒フェニックス オンデーズ再生物語』#795

小説を読んでいて、「すげーー!!!」と思うものの、じゃあいったい、何がすごいのかを説明できないことってありませんか? 瀕死状態のメガネチェーン店「オンデーズ」を再生させた物語として、絶賛されていた田中修治さんの『破天荒フェニックス』なんて、まさにそれでした。 ☆☆☆☆☆ 『破天荒フェニックス オンデーズ再生物語』 ☆☆☆☆☆ 田中さんが買収を決めた2008年1月時点の、オンデーズの財務状況がこれ。 年間売上:20億円 負債:14億円 営業利益:▲2.4億円(毎月2,000万円の赤字) 月の返済額:8000万~1億円 店舗数:国内60店弱 直営7:FC3の割合 小説は、田中さんが正式に社長に就任し、そこから幾度となく訪れる倒産危機を乗り越え、銀行取引正常化を達成するまでの物語です。 社長就任当時の田中さんは、30歳。ミュージシャン“志望”から、デザイン会社を経営するようになり、オンデーズ再生に名乗りを上げたのですが。 口癖は、「倒れる時は前向きにだ! ハハハ」。こわいよ。 田中さんを支えるため、コンサル会社からオンデーズにCFOとして合流したのが、奥野さん。小説においては「影の主役」です。 口癖は、「資金が足りません!!!」。どんなだ。 なにしろ借金が多いので、銀行から新規の借り入れができない状態なのにもかかわらず、田中社長は、新規店舗を出すわ、雑貨チェーンを買収するわ、海外進出するわで、奥野さんは気の休まるヒマがないんです。 「1千万の資金がショートします!」 「1億円の資金がショートします!」 毎度お決まりのような奥野さんの叫びが聞こえる……というストーリーです。 で、この小説のタイトルにある「破天荒」って、どういう意味なんですかね? 「破天荒」とは、誰もなしえなかったことを初めてすることという意味です。誰もなしえなかった=オンデーズの再生って、なんでそんなにムリゲーだったんだろう。 この疑問を中心にして、会社のCFOに解説してもらう研修をおこないました。 わたしは、オンデーズの会社としての方向性が固まり、チーム力がアップしていく東日本大震災のボランティアのシーンが好きだったのですが、さすがに今回の研修ではスルー。 「債務超過に陥った場合、資金の流出を止めるには?」といった比較的簡単な質問から、小説を紐解いていくんです。 基本的には、 ① 収入を増やす

『「数字」が読めると本当に儲かるんですか?』#794

「ファイナンスを勉強しておいた方がいいよ」 とは、よく言われるのですが、この時、やってはいけないことがあるそうです。 「じゃあ、簿記の資格でも取ろうかな」 ってやつ。 もちろん、知らないよりは知っていた方がいいですが、簿記はどちらかというと実務に必要な知識。もっと大枠の経営戦略やビジネスプランをとらえるために必要なのが、ファイナンスなんではないかと思います。 とはいえ、会計のことだってよく分かってない……という方におすすめなのが、古屋悟司さんの『「数字」が読めると本当に儲かるんですか?』です。 ☆☆☆☆☆ 『「数字」が読めると本当に儲かるんですか?』 ☆☆☆☆☆ 脱サラしてお花屋さんをオープンした主人公。でも赤字ばかりが積み上がり、キャンペーンをやったり、倒れるほど働いたりするけど、右肩下がりの状況です。 そこにやってきたのは、スゴ腕の税理士さん! こんなストーリー仕立てで、会計の知識と、商売・経営を結びつけて把握することができます。 会計と一口にいっても、2種類に分かれるのだそう。 財務会計:決算や税金のための報告書 管理会計:儲けるための羅針盤 と考えればいいらしいです。 本で取り上げられているのは、管理会計の「限界利益」という考え方です。 利益を生み出す商品構造、値付けといった“当たり前”のことが、より実務と紐付いた形で解説されるので、経営戦略を立てられるようになりたい、いずれは独立したいという方の最初の一歩にピッタリだと思います。 「売上が足りないのが、赤字の原因ではない」 って、経営を知らないわたしには「ええっ、そうなの!?」という話でした。だって、売上が上がればハッピーなんじゃないかと思っていたのに。実は、花屋さんの脱サラ社長も同じだったようです……。 まずはこの勘違いを正していくのですが、会計の知識がある人には、「ここから!?」というレベルかもしれません。 が、在庫と売上の関係や、値上げ・値下げがどのように売上に影響するのかといったことを、ビジネス視点で考えることができるので、経理担当者にもおすすめです。 著者の古屋悟司さんは、楽天で「ゲキハナ」というお花屋さんを運営されています。倒産の危機を乗り越え、V字回復に成功したというその歴史に、学ぶこと多しです。 【楽天市場】一流品を卸値販売致します!激安から激レアまで!:ゲキハナ 感激安心のお花屋

『会計クイズを解くだけで財務3表がわかる 世界一楽しい決算書の読み方』#793

やった方がいいよね、できた方がいいよね、と思いつつ、ずっと積み残している宿題があります。 それは、「ファイナンス」です。 だって数字ばっかり書いてるんだもん!と、算数苦手組は思ってしまうのですけれど。 ダイヤモンド編集部が実施した「社員には会計・ファイナンスの知識をどれくらい理解していてほしいですか?」というアンケートによると……。 一般の従業員に対しては、 「売上高と利益」の理解を求める:44%の企業 「財務3表」の理解を求める:29%の企業 だそうです。もちろん、役職が上がると、「ROE(自己資本利益率)やROA(総資産利益率)など財務3表上の数値を組み合わせた指標」なんていう項目の数値が上がります。 「ちゃんと知識つけてね」と考えている企業の方が多いんですね。そりゃそうか。 データが裏付け!課長&部長になりたきゃ決算書の理解は必須! | 週刊ダイヤモンドの見どころ | 週刊ダイヤモンド   わたしは高校の時に日商簿記検定の2級をとりました(1級は工業簿記が入るため、受験できなかった)。ただ、この段階では、「勘定科目が分かる」くらい。「会計が分かる」こと、さらには「ファイナンスが分かる」といえるのは、別次元の話です。まずは決算書の読み方から、と思っても。 数字ばっかり書いてるんだもん!!! 会社の研修で使うため、いろいろ探していた中でおもしろかったのが、公認会計士である大手町のランダムウォーカーさんの『会計クイズを解くだけで財務3表がわかる 世界一楽しい決算書の読み方』でした。 ☆☆☆☆☆ 『会計クイズを解くだけで財務3表がわかる 世界一楽しい決算書の読み方』 ☆☆☆☆☆ 超シンプルにつくられたPLやBSの表を見ながら、クイズに答えていくと、あーら不思議。財務諸表の見方のポイントや、ビジネスの構造が理解できるような形式になっています。 (画像はAmazonより) いまサラッと「PLやBS」なんて書きましたが、こういう初めて出会うであろうワードにもちゃんと解説がついています。 ちなみに、 PL(損益計算書):企業の経営成績を示すためのもの BS(貸借対照表):財政状態を把握するためのもの です。 わたしは社内研修の企画を担当しているため、どうやったら「ファイナンス」の講義がおもしろくなるんだろうと、ずーーーーっと考えていました。 数字が苦手な人に